糖尿病の症状で、体重減少なんてありえるのでしょうか?
糖尿病なのに、痩せ型の人はいます。
それは、インスリンを分泌する力がもともと遺伝的に弱い人で、少し生活習慣が悪化してインスリン抵抗性が付いてしまうと、太る前に糖尿病を発症してしまうタイプ。
しかし、糖尿病患者が食事に注意していないはずなのに痩せて来た…という場合は要注意。それはコントロールがついて痩せたのではなく、糖尿病が進行したせいで痩せていることがあるのです。
本来、人間は食べ物を摂取すると、ブドウ糖という一番細かい単位の糖分に分解されます。
そして、血液中を流れるブドウ糖を細胞の中に取り込むためには、インスリンとペアを組む必要があります。
ところが、そのインスリンの分泌量が減ってしまったり、1つのインスリンがあまり機能を果たさなくなってインスリン抵抗性を示してしまうと、いつまでも細胞内にブドウ糖を取り込めません。
血管の中には大量のブドウ糖があるのに、それを取り込めずにいるため、身体はある種の飢餓状態に陥る訳です。
そうなると、身体は自己防衛のために筋肉や脂肪を燃やしてエネルギーを作り出そうとします。
筋肉や脂肪は身体の大切な成分です。
これを分解してしまうために、どんどん痩せてしまうのです。
糖尿病であることを知らなかった人が、体重減少を主訴に病院を受診して糖尿病が発見されることもあります。
その時には既に相当な合併症が進んでおり、ある程度の腎症と網膜症・神経障害が出ています。
糖尿病はサイレントキラー。痛くないのでなかなか病院を受診しようという気にならず、放置しておくととんでもないことになるのです。
糖尿病と診断されて、生活を改善した結果、少しずつ体重を落としていくのはとても良いことです。 しかし、特に生活を改善した訳でもないのに急激に体重減少が起こって来た場合は要注意。 受診したその日に入院ということもあり得ます。