糖尿病になると、足のケアが重要になりますよね。
水虫と糖尿病の関係性を教えてください。
水虫は白癬菌によって起こります。
爪が濁って厚くなり、指がじゅくじゅくしてきます。
痒みはある場合とない場合がありますが、いずれにせよ自然に治るものではありません。
糖尿病患者は、感染に対して弱くなっていますから、必然的に水虫の患者が多いのです。
しかし、糖尿病患者は非糖尿病患者よりも水虫の管理をしっかりする必要があります。それはなぜでしょう?
白癬菌は、増殖すると皮膚の内部へ菌糸を伸ばして来ます。
そして、皮膚に潰瘍やただれ、傷を作ります。
そこで感染に弱い糖尿病患者はひどい感染を起してしまい、足先だけでなく、膝下まで発赤を伴うことがあります。
見た目は足の発赤だけでも、それが血流にのって全身に菌が回ったら、敗血症を起して命に関わることもあります。
また、血流障害のために、潰瘍そのものを治すことができずに壊疽を起こし、最悪の場合切断することもあります。
水虫を治すには、意外に時間を要します。
特に爪に入りこんだ白癬菌を治療するには、外用薬(クリームやローション)だけでは治りません。
内服薬と外用薬を併用する必要があるのですが、時に内服薬は肝障害を起こすことがあるので、全ての人が使える訳ではありません。
また、いくら薬をしっかり使っても、環境を整えなければ繰り返し水虫になってしまいます。
例えば毎日同じ靴を履いている場合は、できれば3足用意してローテーションすることをお勧めします。
また、家族の中に水虫がいる場合はバスマットを共用するのは辞めましょう。
そもそもバスマット自体が清潔ではないので、普通のタオルを使用して毎日洗濯する方がよいでしょう。
たかが水虫も、糖尿病患者にとっては一大事。
日頃のフットケアを十分におこなって、水虫に気づいたら皮膚科を必ず受診しましょう。