妊娠することでブドウ糖の代謝に異常が生じて発症するのを妊娠糖尿病呼びます。
妊娠することにより、糖尿病を発症しやすい原因もありますので、健康管理が必要です。
母体から胎児にブドウ糖を送るために、その分母体のブドウ糖が不足することになります。
その不足した分を補うために、脂肪の代謝が活発になります。
その結果として、体が飢餓状態になり、妊娠糖尿病が起きやすくなるのです。
妊娠糖尿病(妊娠性糖尿病)は妊娠中に起こる病気であり、出産後には自然に治ることも多い病気です。
しかし、出産の後 にもこの症状が続くようでしたら放っておくといけませんので適切な治療が必要です。
また、妊娠中でも出産にいろいろな弊害が出てきますので、早期に治療しておく必要があります。
出産後はお腹に赤ちゃんがいないので、今までの食事制限や適度な運動をやめてしまう人も多いようです。
しかし最近の報告では、産後、5.4%が糖尿病、そして、 全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られるようです。
産後1年以内に糖尿病になる頻度は2.6~38%です。
耐糖能異常(IGT)は、糖尿病の前段階である場合をいいます。
「隠れ糖尿病」や「糖尿病予備軍」とも呼ばれていますので、皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思います。
正常の状態と糖尿病の状態の境界にあることから、正式名称としては「境界型糖尿病」と言われています。
さらに「IFG(空腹時高血糖)」という状態もありますが、これはIGTの前段階です。なので症状の段階としては正常→IFG→IGT→糖尿病となり、IFGとIGTが境界型糖尿病ということになります。
IFGやIGTの状態から糖尿病を発症しない予防法としては、やはり基本中の基本である生活習慣の改善になります。
空腹時血糖値が110mg/dl~126mg/dl未満もしくは経口ブドウ糖負荷試験で2時間値が140mg/dl~199mg/dlの人をいいます。
妊娠糖尿病が発覚した人は、出産後も定期的な健診が必要です。
妊娠糖尿病の妊婦さんは、耐糖能が正常の妊婦さんと比べて、将来的に糖尿病になる確立は、8倍近くあると言われています。
妊娠中だけでなく、出産後も栄養バランスの良い食事と、適度な運動を続けるようにしましょう。
妊娠糖尿病の食事療法は、必要なカロリーはしっかり摂りつつも、糖分や塩分、脂っこいものは避けた内容になっています。
監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。