糖尿病の検査をして様々な項目がありますが、これらは一体どういったものでしょうか。
また、糖尿病の検査の項目として、よくある項目について指数などについても簡単に説明したいと思います。
ヘモグロビンa1cやHba1cといことを聞く機会が多くあると思います。
A1cとは表記上で文字に制限がある場合、Hba1cのうち国際基準であるNGSP値のHba1cを表記上区別するために「a1c」と表記します。
また日本で基準とされていたJDS値はそのままで表記するようにされています。
糖尿病のヘモグロビンのHba1cですが、平成24年4月1日から国際基準であるNGSP値を基準として糖尿病を判断するように取り組みが行われますが、しばらくの間はNGSP値とJDS値と共に表記されることになっています。
また、NGSP値とJDS値には誤差がある為、共に名前を表記して表わすことになっています。
例えば、Hba1c(JDS)という風に表記されます。
糖尿病の項目でHba1cと言う項目があります。
これは、血液中のブドウ糖が赤血球タンパクであるヘモへグロビンと結びついてグリコヘヘログロビンとなります。
糖尿病の方などの可能性の高い人は、血液中のブドウ糖が多くなりますので、ヘモグロビンがブドウ糖と結び付く数も多くなると考えられます。
また、Hba1cの寿命(半減期)が1、2ヶ月と考えられる為、血液検査で血液中のHba1cが血液中で占める割合で1、2カ月位前の血糖の状態が推測されるので、血液検査の直前に急に食事を注意したり、運動したりしても数値としては表れない為、糖尿病にとって長期的の血糖をコントロールする上での大切な指数となるわけです。
1.5ag、1.5アンシドログルシトールと言われるもので、グルコース(糖の一種)に似た構造のポリオール(多価アルコール)です。
体内にあり、毎日食物により供給されて余分なものは尿には排出されます。
正常な場合は尿中排泄量と経口摂取量はほぼ同じで、1.5agは腎尿細管によって99.9%再吸収されますが、高血糖の場合は阻害されてしまい、尿中に喪失されて、血中濃度が低下します。
正常値は14ug/dl以上です。(妊娠中30週以上の場合に低数値が出る場合があります)
血糖上昇や血糖改善などに対しても比較的反応が早いのが1.5agの特徴ですので、治療効果や患者の方の迅速な状態把握に役立っています。
具体的には、薬剤の効き目の切れ目の時期の確認や、急激な血糖降下の防止に利用されます。
Alp(アルカリフォスファターゼ)とは体内でアルカリ性の時にリン酸化合物を分解する酵素のことです。
体内のどの臓器でも見られるものですが、血液中のalpは肝臓や骨に由来するものが多いとされています。
肝臓や胆道に病気があるとalpの数値は高くなり、また骨の病気の時もalpの数値は高くなります。
そして健康な場合での骨が大きくなる成長時期の子どもの場合も高めの数値を表わすことがあります。
何故、alpの数値が大切なのかというと、肝臓の病気の症状は初期の段階ではあまり自覚症状がなく、進行しないと症状に表れにくいため重症化し易いことが多い点があります。
また糖尿病が原因として肝臓の病気、肝硬変や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の原因となっていることがあるからです。
肝臓機能が低下することで、様々な障害がでます。
また、肝臓の低下から起こる病気の為、命にかかわる合併症などを併発することもあり、糖尿病の治療に悪影響を及ぼします。
alpの指数をチェックして異変に早く気付くことで糖尿病による合併症の予防に繋がります。
※Alpの基準値としては、35u/l以下、50u/l以上は精密検査が必要です。
インスリン抵抗性とは糖尿病2型(肥満や成人病が原因が多いもの)の方が多く見られる傾向のひとつです。
インスリン抵抗性があることで、血液内のブドウ糖が増えてしまうことになります。
健康的な人の場合、食事などを摂ったらそれが血液にブドウ糖として変化されてインスリンが体内に(筋肉)摂り入れる作用が働きます。
しかし、インシスリン働きが低下する、血液内にブドウ糖増え、高血糖の状態が続くようになります。
インスリンがブドウ糖に対して効果的に反応しているかといったもの指数となるわけです。
空腹時の血糖値と空腹時のインスリン値(IRI)を基準として計算して導きます。
※空腹時の血糖値×不服時のインスリン値÷405です。
基準値 | インシスリン抵抗性疑いあり | インスリン抵抗性 |
---|---|---|
1.6以下 | 2以上 | 4以上 |
糖尿病の血液検査で、空腹10時間以上の状態でブドウ糖75gを口から摂ってその経過を調べるものです。
75gのブドウ糖は飲み物で摂取します。(ソーダ水の様なもの)
実際の血液検査の際はまず、空腹時の状態で摂取してそれからブドウ糖を摂って2時間後の血液を採取することが多いです。(病院によっては4、5回採取する所もあります。)
例えば、30分後、1時間後そして2時間後。
糖尿病の判定の基準の検査ともなり、特に2時間経過の検査は重要なものとなります。
2時間後の数値で200mg/dl以上の場合は糖尿病と診断の基準となります。
※現在糖尿病でインシュリン治療を行われている方については正しく判定できない事があります。
Hba1cの指数と両方の結果で相互的に糖尿病であるかどうかを判断することになります。
食後通常の場合、血糖値は上昇します。
そして2時間位経過すると血糖値は自然と下がってきます。
しかし、糖尿病の方の場合は高い状態でなかなか血糖値が下がりにくいといったことがあります。
空腹時の血糖値が正常でも食後などの血糖値が高く、高い状態が続くといった方など隠れ糖尿病と呼ばれる方を発見することができる為大切な検査なのです。
糖尿病の検査の数値については、様々な条件を総合的に判断して、糖尿病と診断し、検査によっては糖尿病の怖いと言われている合併症の早期発見、そして糖尿病で大切な日々血糖値のコントロールの為に大切なものです。
定期的に検査を行うことで現状の状況を把握でき、自分自身で目標を立てることができます。
また医師との確認の為に大切なものなのです。