糖尿病には基準があります。
血液中の糖分の値、すなわち血糖値と、HbA1cの値によって糖尿病型であるかどうかを判断します。
HbA1cとは、血液中に存在するブドウ糖とタンパク質が結合したもので、これが高いということは、すなわち糖分が血中に溶けだしているということですから、糖尿病型であることが疑われます。
さて、日本では、これまで日本糖尿病学会が指標としていたJDS値という基準を使用していました。
これが2012年4月から、国際標準治というNGSP値を使用することになりました。
これはJDS値に対して+0.4%高い値となるため、間違いの無いように判断することが重要となります。
糖尿病の検査には、血糖値とHbA1cの値を基準とします。
”糖尿病”という病名から、尿に糖が含まれているから糖尿病、と思いがちですが、そうでもありません。
注意しなければならないのは、尿に糖が含まれているかどうかではなく、血糖とHbA1cの値がどうなっているか、という点で判断することが必要です。
糖尿病は、大人の病気と思っている方も多いかもしれませんが、最近では子供の糖尿病患者も増えています。
その原因については様々なものが指摘されていますが、例えば食事が欧米化したことにより、食事から糖分を多く摂取するようになったことなどが指摘されます。
これは、ファストフードなどがその代表例と言えるでしょう。
また、間食や清涼飲料水についても糖分の含有量が多いものを頻繁に摂取することから、そのリスクは懸念されています。
これはペットボトル症候群と呼ばれています。
子供のうちはなかなか血液検査を受ける機会がない場合もありますが、食事の習慣や、子供の体型、日々の行動(多飲多尿)などが気になったら、積極的に検査を受けるのが良いでしょう。
糖尿病には大きく分けて、タイプが二つあります。
1型糖尿病と、2型糖尿病です。
1型糖尿病は自己免疫疾患と呼ばれ、体内の血糖を下げるインスリンを分泌する、β細胞が滅んでしてしまうことによる糖尿病です。
2型糖尿病は、インスリンの分泌量が低下するとともに、インスリンが分泌されていても血糖が下がりにくくなってしまうことによる糖尿病で、こちらは生活習慣病です。
10代などで糖尿病を発症した場合、1型を疑われることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
2型糖尿病は生活習慣病と書きましたが、生活習慣だけで糖尿病を発症するわけではなく、遺伝要因も強いとされています。
すなわち、患者の遺伝子が糖尿病を発症しやすい遺伝子配列になっている場合、周囲と同じような生活習慣を心がけていても、該当の患者だけが糖尿病を発症することがありえるということです。
高校生ぐらいの年齢になると、友人づきあいや自分の持っているお金で外食や買い食いをする機会も増えます。
そのため、必然糖分を多く含む食品に多くさらされることとなりますから、できれば定期的に糖尿病検査を受けることが望ましいと言えるでしょう。
糖尿病の検査では、血液内の糖の含有量、濃度が重要になってきます。
これが血糖値として算出され、それを基準にあてはめて糖尿病型であるかを測定するためです。
このことから、糖尿病の検査を受けるときには、普段の血糖値を正確に測定する必要があるわけですが、血糖値は、食事によって大きく変動します。
これは食事によって得た栄養を、消化によってブドウ糖に変えて身体が吸収するためです。
そのため、検査を受ける前に食事をしたのかどうかは、検査結果が正常であるかどうかを判断するために重要というわけです。
検査では、食事を取らないで受ける空腹時血糖検査と、随時血糖検査との2種類があります。
どちらも糖尿病の検査に用いられるものですが、検査を受ける病院や医師の指示に従い検査を受けるのがよいでしょう。
様々な疾患の検査を受けるとき、検査前の数時間は絶食、というのはよく耳にしますが、水の摂取も控えて下さい、と言われることがあります。
糖尿病の検査の場合でも、水分の制限を言い渡されることがあります。
検査前の指示は病院や医師からの説明に従って検査を受診する必要があります。
しかしながら、あくまで傾向ですが、水分の摂取は認めてもらえる場合が多いようです。
特に糖尿病の場合には、血液の浸透圧が高くなり、結果的に身体が脱水症状を起こすことがありますので、水分は積極的にとる必要があります。
これは治療中も同様のことが言えるのですが、ここで注意点があり、水分を取るといっても、糖分を多く含む清涼飲料水などを取り過ぎている場合には、当然のことながら逆効果となり得るということです。
一般によく飲まれるペットボトル入りの清涼飲料水などは、私たちが想像する以上の糖分が含まれていることから、できれば水やお茶など、糖を含まない飲料で水分補給をすることが検査前・治療中いずれも望ましいでしょう。