食品添加物が健康に悪いという話題が記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。
保存料や合成着色料というワードから、発がん性などに結びつけた記事も、メディアなどではよく見るものになりました。
これと合わせて、血糖値を気にする方に、ぜひ注意していただきたいのが「人工甘味料」です。
お菓子などの甘いものだけではなく、様々な市販品に含まれている可能性のある人工甘味料について、この記事で解説していきます。
人工甘味料というワードを聞いたことがある方は多いでしょう。
人工甘味料はその名のとおり甘味料で、食品に甘みを持たせるための添加物です。
であれば、食品添加物の一種として、「やっぱり身体に良くないのではないのか?という疑問を持たれるのは当然のことと思います。
しかし、人工甘味料は、「安全」であるとされ、一般に流通している現状があります。
人工甘味料は、食材に含まれている糖分などと比較して、血糖値やインスリンが上昇せず、血糖値への影響を小さくとどめることができるとされており、その他の健康への影響を最小限に留めることができるという見解です。
この説は広く支持され、結果として多くの食品や清涼飲料水に人工甘味料が用いられる根拠とされてきました。
しかし、この説に対しては疑問を持つ方も多くいます。
医学の分野でも研究や検討の対象となっているのが実情です。
このことから、イスラエルの研究グループが人工甘味料の健康に与える影響を調査したところ、腸内細菌のバランスが崩れ、糖代謝が低下、その結果、血糖値が下がりにくい状態となったという発表がありました。
さらに問題となったのは、人工甘味料が長期間使用された例だと、空腹時血糖の上昇が見られる率が上がり、糖耐性の異常兆候が見られたという結果が発表されました。
ちなみに、この研究の対象となった人工甘味料はサッカリンという物質で、この物質はお菓子の中でもガムに多く含まれます。
また、食品以外の用途では歯磨き粉に多く含まれていることで有名な物質です。
では、食品の場合はどうでしょうか。
食品に多く用いられている人工甘味料としては、アスパルテームやスクラロースなどが挙げられます。
このような甘味料は、確かに血糖値を上げることがないという結果が得られており、血糖値を抑制する結果は信頼できそうです。(現に、インターネット上などでは、実際に人工甘味料入りの食品を食べたうえで血糖値を自分で測ってみたりといった実験をされた方もいらっしゃるようです。結果は期待通りの結果が得られたとのことです)
このことから、食品に用いられている人工甘味料は、血糖値を下げたいという方にとって、理想的な物質であるように見えます。
しかし、実験には続きがありました。
なんとその結果は驚くべきもので、「アスパルテームなどの人工甘味料を長期間摂取することで、むしろ血糖値やインスリンの分泌量は上昇する」という結果が記されていたのです。
これはどういうことでしょうか。
これは、アスパルテームが摂取されたことによって、レプチンと呼ばれるホルモンや、インスリンが急速に分泌されることに由来します。
インスリンやレプチンの分泌がされることによって、身体はそれらへの抵抗性を持つようになります。
レプチンは何をしている物質かと言いますと、食欲の制御をしている物質です。
勘の良い方はこのあたりでお気づきかもしれませんが、レプチンに対して身体が抵抗を持つということはすなわち、「満腹感が得られにくくなる」ということにほかなりません。
満腹感が得られなくなると、人はやはり食事をしたくなります。
それが長期間に及べば当然、耐えられなくなって食事をしたくてたまらなくなります。
このことによって、人は食事を多く摂るようになってしまい、結果として血糖値の上昇を招いてしまう危険があるということです。
本来、こうしたインスリンやレプチンといった物質は、食事をとることによって相互に連動して分泌されるものです。
それらが、アスパルテームなどの物質によって急速に分泌が促されることによって、こうした問題が発生してしまうのです。
結果としては、人工甘味料の作用そのものは血糖値を低下させますが、その副次的効果として、むしろ血糖値を上昇させてしまう危険があるということになります。
この点に注意して、人工甘味料だけに頼って血糖値対策をすることがないように注意したいですね。