血糖値を気にする方にとって、生活習慣の改善は必須であると解説してきました。
それは食生活から運動習慣にまで及び、これまでのライフスタイルをもう一度1から見直すほどのもの、というよりも、身近でできることから改善していく、ということになります。
運動についてもそうですが、食生活もこれは同様。
緊急の場合を除けば、血糖値が高いと診断されたからといって、突然「甘いものをすべてやめる」とか、「お酒を一切飲まない」といったようなことは難しいことでしょう。
これまでの生活から少し血糖値のことを考えた生活にするにはどうしたらよいかを解説していきます。
血糖値は読んで字のごとく、血液内の糖分の値です。
ですからそのまま考えれば、糖を含んでいる食品は血糖値を気にする方にとっては禁忌。
甘いものの代表格であるお菓子を食べるなんてとんでもない…と、考えられがちです。
もちろんかなり症状が進行してしまい、すでに「糖尿病」として診断を受けている方はそのとおりなのですが、「血糖値が高め」という方にとってはまったく禁止する、というのはかえって辛いものです。
血糖値のことを考えながらも、お菓子と上手に付き合っていくにはどうしたら良いでしょうか。
それは、頻度や量、そして食べるタイミングを考えること、そして何より、血糖値を上げにくいお菓子をチョイスすることが重要となってくるでしょう。
まず知っておきたいのは、「洋菓子は血糖値を上げやすい」ということです。
チョコレートなどはその代表格なのですが、チョコレートやケーキなどを食べると、かなり急激な血糖値の上昇があります。
血糖値が高めと診断されたのなら、これらのお菓子は「量を減らす」ことを第一に考えましょう。
この点、和菓子は血糖値を上げにくいものが多いです。
置き換えという方法もよいでしょう。
また、乳製品、特にヨーグルトなどは血糖値を上昇させにくいと言われています。
そのため、お菓子を食べていた習慣から、乳製品に切り替えてみるというのもよいでしょう。
最も避けたいのは、「朝食を抜いてチョコレートなどのお菓子で済ます」ような食生活です。
このような食べ方をすると、本来は朝食から緩やかに吸収されるべき血糖値が、チョコレートなどのお菓子によって急激に上昇してしまいます。
お菓子は適量を、適度なタイミングで食べていくようにしましょう。
まず、基本的にアルコールは血糖値を急上昇させます。
これが前提です。
そのため、血糖値が高めと診断されたなら、アルコールは極力控えるようにするのが理想です。
特に、アルコール飲料の中でも糖質を多く含んでいるお酒は危険といえるでしょう。
アルコールの効果と合わせて、糖質による血糖値の上昇が起こるためです。
代表的なのはビールや日本酒などの蒸留酒系のお酒です。
蒸留酒であるウイスキーや焼酎などは、直接血糖値を上昇させる効果は薄いようです。
とはいえ、ジュースで割ったり、味をよくするため糖質を加えている製品も存在します。
このあたりに注意して、適量を飲むにとどめておきましょう。
また、お酒だけを飲む、というケースは稀でしょう。
お酒を飲めばおつまみが欲しくなるでしょうし、お酒のあとに「シメ」のお鍋やラーメンなどを食べれば、これまでの苦労も水の泡。
お酒を飲んでいると、どうしても気持ちが大きくなって普段よりもたくさん食べたり飲んだりしてしまうもの。
注意したい点です。
間食を完全にしない、お酒を完全に飲まない…ということができれば、それは理想ですが、やはり辛いものがあるでしょう。
ですので、禁止ではなく適量に留める、という考え方のもと生活していくのがベストといえるでしょう。
無理な制限はかえって長続きしないもの。
自分にできる範囲を見極め、周囲の協力なども得つつ血糖値を上げない生活を作っていくのがよいでしょう。
気がついたら仕事中にお菓子をすごい勢いで食べていた、とか、お酒の席で「あれ、自分はこんなに飲んでいるのか」と気づくことが第一歩といえます。
自分の食生活を第三者的な目線で見直し、その上で少しずつ減らしていく。
というような目標を立てて過ごしていければ、自身の身体をいたわりながらも、無理のない生活ができることでしょう。