「食後高血糖」をご存知でしょうか。
この食後高血糖は糖尿病の初期段階にみられることが多く、空腹時の血糖は問題ない、もしくは境界型(糖尿病予備軍110~126mg/dl未満)しかし、食後の血糖に関しては、糖尿病の同じように高値(200mg/dl以上)を示している状態のことです。
これを放置することで、いずれは空腹時血糖も高値を示すようになります。
糖尿病は、静かに進行し、確実に動脈硬化や、神経障害を引き起こしてきます。
放置して未治療のままにしておくことは、合併症の危険のリスクがそれだけ高くなるということになります。
そもそも、血糖が高いということは、全身の細胞でブトウ糖の利用が低下したということに他なりません。
食後の血糖を知るには、1.随時血糖値を測る血糖検査、これは、食前、食後に関係なく数値が測定できることを意味します。
ただ、いつ、どのくらいの量を食事したかを担当医に報告しましょう。
2.ブトウ糖負荷試験があります。
これは、10時間以上、水以外断食して採決を行い、その後75gのブトウ糖を溶かした液体を飲み、1時間後と2時間後にもう一度測定します。
これによって、食後の数値とインスリンの分泌機能や食後すぐのブトウ糖の利用能力を調べていきます。
糖尿病と診断された患者さんの中には「ちょっとくらい血糖が高くても平気だろうと思いました」と、最初に診断されてから合併症にかかるまで受診しなかった患者さんもいます。(怖)
動脈硬化は、細い血管はもちろん、太い血管にも起こってきます。
よく耳にしませんか?保険のCMで3大疾病(癌、脳卒中、急性心筋梗塞)このなかの2つ、脳卒中、心筋梗塞は動脈硬化より引き起こされるのです。
食後高血糖の人と健康な人を比べた場合、そのリスクの差は2倍だと言われているのです。
最近では、健診で指摘される方が多いようです。
早期発見の食後血糖検査、健康診断ってありがたいですね。
「ケーキを食べると血糖値は上がるだろうなぁ・・」たしかにそう思いますよね。
そしてそれは事実です。
食べないより、もちろん食べたほうが上がるに決まっています。
さらに、食べるものにもよります。
ケーキといえば、砂糖を使用し生クリームに、ジャム等も使用は必須です。
通常、血糖は1時間でマックスとなりますが、このような糖質、炭水化物を摂取した場合、血糖は約30分でマックスとなります。
ようするに血糖が急激に上昇するということになります。
それは、本来、糖質や、炭水化物が人間にとってすぐにエネルギー源となるためです。
しかし、食べ方や質を選べば、ある程度の上昇を防ぎ、時々の「スイーツタイム」を楽しむことが出来るのです。
では、さっそく紹介してきましょう。
必ず昼食後に食べるようにしましょう。
昼食はできるだけ、食物繊維の多いものを摂取するようにします。
食べる順序もまず、食物繊維の多いものを口に運んでください
よく噛んで食べることです。
そうする事で、腸が食物繊維を吸収し、その後に摂った栄養の吸収を遅らせることができるのです。
だからと言って、食べすぎはいけません
簡単に言えば、血糖の急激な上昇を抑えることができる。
ということになります。
食後1時間経ってから、ゆっくりとコーヒーなどを添えてケーキを楽しみましょう。
実際にこれを行われた方は「食後すぐスイーツを食べるよりも、1時間後に食べたほうが、血糖の上りが緩やかだった」といわれています。
ケーキも、生クリームやタルトのものでなく、ガトーショコラなどがお勧めです。
どうしても、生クリームのケーキが食べたいという方は、どうでしょう、ご自身で作
ってみるのも有ではないでしょうか。
それこそ作る楽しみもあり、こだわりも生まれてくるかもしれません。
人工甘味料を使えば血糖コントロールにつながりますし、レパートリーが多くなれば楽しみも増えるかもしれませんよ。
国際糖尿病連合『食後血糖の管理に関するガイドライン』によると、低血糖とならない限り、食後2時間血糖は7.8mmol/l(140mg/dl)を超えてはならないとあります。
簡単に言えば、健常者は食後の血糖が140㎎/dl未満。
それ以上の人は、境界型、もしくは糖尿病なのです。
人間にとって、ブトウ糖は大切なエネルギー源です。
よく頭が働かないと、飴をなめたりしませんか?本能で砂糖を欲している行為なのです。
そう、この炭水化物などに含まれるブドウ糖が私たちの血液中に入りこれが血糖として現されるのです。
しかし、すい臓からインスリンというホルモンの分泌能の低下が起こると糖代謝が悪くなり、高血糖が引き起こされます。
これがやがて、糖尿病となっていくのです。
監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。