糖尿病の検査の主たるものは血液検査で、その中でも血糖などを主に計測します。
しかしながら、検査が必ずしも血液検査だけで終わるわけではありません。
むしろ、それだけで終わる検査のほうが珍しいほどです。
糖尿病に多少なりとも関心を持っている方なら、尿検査を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
さて、尿検査を行う上で女性が気になることと言えば、生理との兼ね合いでしょう。
たまたま検査時期が生理周期と重なってしまった場合に、検査用に採取した尿に経血が混入することがあります。
この場合の検査結果は正しいものなのか?経血が混入したことによって、尿糖や尿淡白が、高い値を示してしまったのでは?などと気になるところですよね。
結論から言いますと、尿に経血が混入した場合でも、検査は受けることができます。
ただしその旨、検査担当の医師に伝える必要はあるでしょう。
そして、生理によって尿淡白や尿糖の値が高く検出されるということはないようです。
ただし、尿潜血が測定されるのは止むを得ないようです。
糖尿病の検査において、まずは血糖値など”現在の体の状態”を測定します。
これにはいくつかの方法があり、まずは”随時血糖”を測定します。
普段生活している上で、どのような血糖値の状態で生活をしているかを測定します。
そして、”空腹時血糖”を測定します。
これは血糖を大きく変動させる食事をしない状態での血糖値の状態を測定します。
そして、”糖負荷検査”という検査も行われます。
これは何かというと、体に糖が取り込まれた際に体が正常に血糖を下げる働きを示すか、という試験です。
この血糖を下げる働きをする物質のことをインスリンといいますが、これが適切に分泌され、なおかつそれによって血糖値が下がっているかという検査を行うわけです。
通常この糖負荷検査には、50gまたは75gのブドウ糖粉末を水に溶かして摂取するのですが、これだけの量のブドウ糖となると、かなりの量となります。
そのためただ水に溶かしただけではあまりに甘すぎて、検査を受ける人が飲むことができないほどです。
そのため、炭酸水にして投与することが多いようです。
”百害あって一利なし”と言われて久しいタバコですが、糖尿病においてもタバコが体に与える影響は大きいと言われています。
まず、そもそも糖尿病を患った場合に、体にどのような影響があるのかを知っておく必要があるでしょう。
糖尿病とタバコ、この両者に関係が深いワードとしては心疾患です。
話題のワードと合わせて考えるなら、”ドロドロ血液”となりましょうか。
油っぽい食事などで血液が流れにくくなるというものです。
これが血栓となってしまうと、ときには命に関わる病気を引き起こすことがあります。
さて、糖尿病型の方の血液は健康な人よりも流れにくくなっています。
血液中に含まれる糖が血液の粘度を上げるためです。
タバコがそこに加わると、タバコに含まれるニコチンが血液内の血小板にへばりついて血液の粘度を上げるということが発生します。
結果、2重の原因でドロドロ血液となってしまうのです。
たとえ糖尿病でなくともタバコをやめることは体にとって良いことばかりですが、特に糖尿病型の方にとってはタバコをやめるメリットは多いといえるでしょう。
また、当然のことながら糖尿病検査のときには麻から禁煙という場合が多いですし、入院中は喫煙を制限される場合が多いです。
糖尿病の検査としての血液検査にはいくつかの種類があり、多くは随時血糖と空腹時血糖を必要とします。
では、実際に自分が医療機関へ赴いて血液検査を受ける場合にはどちらがよいか?ということが悩みどころですよね。
結論から言いますと、初めて検査を受ける場合には朝食は抜いておくのがいいでしょう。
というのも、最後の食事から10時間以上経過後の血液検査を行う場合が多いためです。
一般的には前日の夕食を終えて、翌日朝からの検査という前提での10時間ですので、朝食を抜くというわけですね。
とはいえ、朝食をとってしまったからといって検査が受けられないということもありませんので、詳しくは検査を受ける予定の医療機関や検査機関に問い合わせをするのが良いでしょう。
最初の検査は空腹時でなければできないよ、ということであれば、改めて日程を調整したり、そのときにできる検査だけを行い、空腹時血糖は別の日に採取、ということも考えられるようです。
糖尿病の検査で重要となるのか、まずは自分の体の血糖の状態を確実に把握すること、それをもとに医療機関側で判断してもらうことです。
そのため、検査当日”たまたま”血糖が高かったり低かったりしても、意味のないことになってしまいます。
ただ食事だけは、空腹時の血糖値を測る必要がある場合には、検査前日の夜から絶食を求められるという注意事項がある場合があります。
血糖の下限を知るという意味と考えると、理解しやすいのではないでしょうか。
また、運動などを制限される場合もあります。
血糖値を上下させる要因を排除するため、カフェイン(お茶やコーヒー)を制限される場合もあります。
また、ブドウ糖負荷試験を行う場合には、検査の3日前から炭水化物を摂取することが求められる場合があります。
糖尿病検査の中でもどの検査を行うのか、ということによって検査前に注意しなければならない点は変わってきますので、検査を行う医療機関に検査前に確認して、医師の指示に従うことが重要となります。
監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。