インスリンが合成される前の段階に、ある物質(プロインスリン)が分解されるときに発生する物質になります。
インスリンと同程度の割合で、血液中に分泌されるのです。
ほとんどの場合、分解されずに血液中を巡回し、尿と一緒に排出されます。
血液中や尿中のCPRを測定することで、インスリンがどれくらい膵臓から分泌できるか確認することが可能です。
インスリンの分泌状況は、血中インスリン活性で直接測定することもできます。
しかしインスリン治療を受けている方の場合、注意が必要です。
膵臓から分泌されているインスリンと、治療で用いているインスリンの合わさった数値が出てしまいます。
そのため、正確なインスリンの測定を行うことができません。
その点CPRを測定する検査なら、膵臓から分泌されているインスリンだけを測定することが可能です。
ですから上記のような理由で、測定が難しい方にも有効な検査方法になります。
血液中のCPRを測定するときは、採血検査を行います。
CPRの尿中値を測定する場合は24時間の蓄尿を行って、アジ化ナトリウムを添加して測定します。
CPRの基準値は血液中で0.5~2.0ng/mlです。
尿中CPRの排泄量は50~100μg/日が基準値になります。
CPRの数値が高い場合は、膵臓の障害・コルチゾールや成長ホルモンの過剰分泌・インスリンの作用低下などが考えられるのです。
その一方で、2型糖尿病でインスリンの分泌が低下すると、CPRの数値は低くなります。
血糖値が低い状態や低栄養状態で、体内のブドウ糖が不足するとインスリンの分泌量も減少するのです。
コルチゾールや成長ホルモンの分泌が減少したときにも、低い数値を示します。
また、腎臓機能に何らかの障害がある場合は、血中CPRは高い数字になります。
一方で、尿中CPRは低くなるとされています。
インスリン治療を受けている方には、膵臓の状態を正しく知るために欠かせない検査です。
上手に活用して、体調管理に役立てましょう。
監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。