糖尿病の症状で、目も影響があると聞きました。どのような症状が出ますか?
会社の健康診断を受けても、その後の受診をせずに放置している人がわんさかいます。
仮に一度受診しても、初診ではまず追加の検査と食事療法と運動療法のパンフレットを渡されるくらいなので、あまりはっきりした意識づけもされません。
結果、生活習慣を改めることもなく、受診もストップしてしまいます。
健診で引っかかるレベルでは、糖尿病の自覚症状が全くありません。
ですから、そこから何年も放置したり、毎年異常値を指摘されるのにいつまでも「予備軍」のつもりでいると、どんどん進行していきます。
そうして数年間糖尿病自体を無治療で経過していくと、ある日煙のススや小さな虫のようなものが見えるようになるのです。
見えにくいし気になるので、このような症状が出ると眼科の受診は割とすぐに行くものです。
そして、目の症状が糖尿病による「糖尿病網膜症」と医師に宣告されるのです。
糖尿病網膜症が発症するまでには、何年かの期間があったのです。
しかし、一度発症してしまうといくらそこから一念発起して生活を改善しても網膜症が治癒することはないのです。
糖尿病と同じく、網膜症も初期の頃は自覚症状がありません。
ですから、糖尿病と診断されたら定期的に眼科で眼底を診てもらう必要があるのです。
糖尿病を未治療で放置した場合、7~10年で約50%、15~20年以上で約90%に網膜症が発症します。
糖尿病患者全体の約40%に合併すると言われ、糖尿病の三大合併症です。
自覚症状が現れる頃には、糖尿病も網膜症も相当進行していることが多いのです。
失明してからでは遅いのです。糖尿病は一度診断されたら定期通院と生活習慣の改善が欠かせません。