糖尿病の検査をしろしろと言われても、ではどれくらいの頻度で検査に行くかという点については悩ましいところですね。
もちろんこれは検査を受ける側の体調によって変わってくるものです。
現実的に糖尿病の危険性がある場合には、一か月に一回などの間隔で検査を受ける必要がある場合もあります。
特に心配がないような場合であっても、1年に1回は最低でも検査を受けることが推奨されるでしょう。
血液検査や尿検査だけでなく、眼底検査やX線検査などもあり、一つの科で検査が終わらない場合もあります。
医療機関で検査を受ける場合には、やはり予約を行い検査を行うとスムーズで、検査後には医師などと相談し、次回の検査時期などについて話し合ってみるのも良いでしょう。
糖尿病の発症の傾向が強い40~50代の方は、より積極的に検査を受けることが望まれます。
職場などで健康診断がある場合もありますが、たいていの場合には年に一度でしょう。
ですので、健康診断とは別に、自分から検査を受けに行くなどするのがよりよいと考えられます。
糖尿病の検査そのものでの副作用というものは、基本的にあまり耳にしません。
検査はその多くが血液検査や尿検査となるためです。
しかしながら、糖尿病の治療を行う薬剤の中には、副作用が指摘されているものもあります。
経口(飲み薬)で用いられるものは、軽度の副作用としては胃腸症状、下痢や吐き気、腹痛などがある場合があります。
胃腸症状は、脱水症状を起こすことがあるため、糖尿病の場合には充分に注意する必要があります。(糖尿病そのものが脱水症状を起こしやすい病気であるため)
服用した結果副作用のような症状が認められた場合には、我慢したり市販薬で抑え込もうとせずに、すぐに主治医に相談してみるのが良いでしょう。
なお、頻度としては低いですが、ごくまれに重篤な副作用として、低血糖、けいれん、昏睡などが引き起こされることもあります。
なお、副作用とは異なりますが、造影剤を用いる際には糖尿病治療薬の服用が一時停止される必要があります。
これについても、医師に事前に相談する必要があります。
重篤な副作用がレアケースだとしても、起こってしまってからでは遅いものですから、薬を服用し始めた際には、自分自身の体調変化にも留意しておく必要があるでしょう。
ヘモグロビンは、血液中にあって酸素を運搬する物質です。
糖尿病の検査においても、糖尿病の判断基準になります。
人の体内で、たんぱく質がブドウ糖に変わり、糖化物としてグリコヘモグロビンとなります。
これが血液中にどれだけあるかという点が糖尿病のひとつの指標として使われるというわけです(HbA1c)。
概ね、HbA1cの値が5.4%未満の場合には血糖値が正常範囲内と言われ、5.4%から6.4%は血糖値がやや高めで、糖尿病の境界の値と言われます。
6.5%を超えると糖尿病であると言われます。
ただし、これらの値は目安であること、また、これだけで糖尿病の判断をするわけではなく、血糖値と合わせて診断をされるため、たとえば健康診断の結果などでHbA1cの値が低いとしても、その他の数値と合わせて総合的に判断する必要があるといえるでしょう。
糖尿病の検査は、基本的に保険適用の対象となります。
費用そのものは検査の種類によって異なります。
ただし、保険適用とならない検査もあります。
たとえば人間ドックで糖尿病検査が含まれている場合などは、保険適用とはなりません。
この場合、当然保険診療の場合と比べると費用は高額となる場合があります。
なお、糖尿病には、自己チェックができるキットが販売されています。
これは保険適用となる場合もあり、その多くはインスリン治療を受けている場合に限られるようです。
検査の頻度が多くなったり、検査の種類が増えてきたりすると、どうしても検査費用は高額となりがちです。
保険制度を適切に使って負担を抑えたりするということも必要となるでしょうし、また地域や会社などによっては検査に補助を行っているケースもありますから、それについても情報収集をしてから検査に臨むのが良いでしょう。
糖尿病によって、末梢神経に障害が起こることがあります。
末梢神経は体中に広がっていますが、知覚神経、運動神経、自律神経の3つが末梢神経と呼ばれるものです。
そのどれもが、進行すると恐ろしいものではありますが、知覚神経については有名な症状があります。
それは、”糖尿病で足を切断した”というものです。
これはなぜかと言いますと、知覚神経は痛みなどの感覚を司るものなのですが、この部分が正常に稼働しないために足にできた傷、たとえば靴擦れなどの傷から細菌感染を起こし傷部分の組織が壊疽を起こしてしまうために起こります。
糖尿病の症状は目に見えない部分にまず発生し、外部に出てきた場合には相当深刻な状況だということが端的にわかる症状といえるでしょう。
さらに、神経症状としては顔面神経の麻痺や排尿障害、心拍変動異常などが起こる場合もあります。
神経症状の多くは放置して治ることはありませんから、症状が軽いうち、あるいは症状が出る前に兆候を察知して、可能な限り早期に治療を開始していくことが求められるというわけです。