血糖状態を知る数値『Hba1c』(ヘモグロビン・エイワンシー)

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)って、聞いた事ありますか?

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)とは、自分自身の血糖状態を知る上で、非常に重要な数値の一つなんです。

ヘモグロビン(Hb)って、学生時代に習ったことがあると思いますが、ちょっと復習しましょう。
ヘモグロビン(Hb)とは、血液に含まれるタンパク質です。
酸素を体内の各組織に運ぶとともに、二酸化炭素を受け取って肺に運んで放出、また全身の各組織に運ぶという重要な働きをします。

思い出していただけましたか?私は完全に忘れていました。
というより、本当は習った記憶もありませんでした…。

このヘモグロビン(Hb)は、血液中のブドウ糖と結合するという性質を持っています。
ブドウ糖と結合した物の一部分が、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)です。

通常、赤血球の寿命は4ヶ月と言われています。
その間に赤血球は血管の中をグルグルと周っていきます。
その時に、血液中の余分なブドウ糖と次々に結合していきます。
血液の中に余分なブドウ糖があって、高血糖状態が長く続くとヘモグロビンとブドウ糖は、どんどん結合していきます。

つまり、血液検査の結果、このHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)の値が高ければ高いほどたくさんのブドウ糖が余分に血液中にあって、ヘモグロビンと結合してしまった、という訳なんです。

血糖値が高い人はHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)値が高くなり、ふだんの血糖値が低い人はHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)値も低くなります。

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)値が高くなる原因

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)値の基準値

指標 不可
不十分 不良
Hba1c(%) 6.2未満 6.2~6.9未満 6.9~7.4未満 7.4~8.4未満 8.4以上

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)が高いと…

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)は、糖尿病と深い関わりがあります。
日本糖尿病学会では、2010年7月に糖尿病の診断基準を改訂し、従来は血糖値の補助的な扱いだったHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)を“格上げ”しました。
すなわち、最初の検査で血糖値とともにHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)を測定し、血糖値が「糖尿病型」であることに加え、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)が6.1%以上で「糖尿病型」であれば、それで「糖尿病」と診断してよいことになったのです。

HbA1c値 が8.4%以上 5年程度で、両足のしびれがはじまり、足の感覚が麻痺し、ひどいと痛みにかわります。
7~10年程度で、視力が低下します。最悪の場合は失明します。
10~13年程度で腎不全となり人工透析が必要になります。
HbA1c値 が6.9~8.4未満 合併症(神経障害、網膜症、腎症)は(HbA1c値が8%以上のときほどの速度ではありませんが)進みます。
HbA1c値 が6.2~6.9未満 合併症の危険は少ないグループに入っていますが、油断すると悪化します。毎月検査をして悪化していないか確認しながら治療を継続する必要があります。
HbA1c値 が5.4~6.2未満 少なくとも食事療法は開始する必要があります。管理栄養士による栄養指導だけでも受けることをお勧めします。悪化していないか確認するため半年~1年に1回の検査もうけましょう。

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