糖尿病の人は糖尿病じゃない人と比べて12歳早いとか、糖尿病患者は健常者より寿命が10年短いと言われている。って噂聞いたことありますか?
インスリン治療をしてから大体どれくらい生きられるの?と、急に長生きできないのではと不安になったりしていませんか?
でも、本当にそうでしょうか。
その根拠はどこにあるのでしょうか?
糖尿病を発症してしまうと寿命が短くなるというのは、間違いです!
なぜなら、血糖値が高いと言うだけで命を落とすことはありません。
「糖尿病」=「短命」は間違い!
だからといって、糖尿病は長生きというわけではありません。
結論から言うと、糖尿病で命を落とすのではなく、糖尿病からくるあらゆる合併症で命を落とすのです。
1型、2型に限らず糖尿病患者さんの寿命は合併症の存在の有無・程度によって決まるのです。 動脈硬化症が著しく進行していれば脳卒中や心筋梗塞を非常に高確率でおこすということはわかりますね。
「合併症にならないことが大切」 良好な血糖コントロールの維持が重要です。
糖尿病であっても、適正な血糖コントロールが維持できていて、生命に関わるような重大な合併症(糖尿病性腎症や心筋梗塞など)を起こさなければ、糖尿病でない人と同じに(あるいは、それ以上でも)生きることはできるのです。
現に、糖尿病を発症してから40年も50年も元気に生活している方は、大勢いらっしゃいます。
自分でコントロールしながら、周りに理解を得ながら、糖尿病とうまく付き合っていけば、糖尿病が原因で命を落とすことはないと言えます。
ですので、寿命が~などの噂にまどわされず、しっかりとコントロールに努めれば、何も周りと変わらないのです。
さらに、糖尿病治療の進歩により、寿命が長くなることも期待できます。
現在、1型糖尿病を根治する方法はありません。
しかし、この20年で1型糖尿病患者の予後はかなりよくなっています。
1型糖尿病とともに生きていくことはまだ困難を伴うことであるにしても、患者教育、血糖値のモニタリング、インスリンの配達などによって、糖尿病管理の日常的な行動がより簡単なものになってきています。
こういった進歩のおかげで、1型糖尿病患者の寿命も糖尿病ではない人と同程度になるかもしれません。
1型糖尿病による合併症のリスクも減少してきています。
糖尿病1型について、詳細をまとめています。クリックすると詳細ページへ遷移します。
監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。