糖尿病白内障とは

「糖尿病が原因で目が悪くなった、失明した」ということを耳にしたことありませんか?
よくテレビでも聞いたことがあると思います。

白内障とは、「水晶体」と呼ばれる目のレンズにあたる部分が白く濁ってしまう病気です。にごってしまうために光が通過しずらくなったり、乱反射を起こすために、すりガラス越しに見ているかのように見えにくくなったりします。

白内障(はくないしょう)は、白内障は年齢とともに進行する老化現象の一種です。軽度のものはほとんどの高齢者に認められます。
しかし、加齢に関係なく、糖尿病になると白内障をさらに発症させやすくしてしまいます。

糖尿病白内障は糖尿病による眼の合併症のひとつなのです。

糖尿病白内障には、比較的若い世代で発症しやすい「真性糖尿病白内障」。そして、老化現象の一つとして引き起こされる老人性白内障が合併している「仮性糖尿病白内障」が存在します。

真性糖尿病白内障:高血糖が原因で、若い世代からの発症も多い
症状の進行スピードが速い

仮性糖尿病白内障:老人性白内障と合併して、高齢になると多くなる
症状の進行スピードが遅い

二つのうちでも、大半を占めるのは仮性糖尿病白内障で、徐々に症状が強くなり、日常生活に支障をきたすほどになれば手術により除去する事を検討しなくてはなりません。

糖尿病白内障の原因

糖尿病白内障の場合は長期に及ぶ高血糖状態が原因と言われています。

加齢や糖尿病などを主因として不要なタンパク質が作り出され、水晶体に蓄積することなどが主な原因とされています。

糖尿病白内障の症状

初期症状としては光がきつく眩しく感じたり、眼のかすみがあります。

症状が進むに連れ、視力の低下が現れて視力障害を自覚します。 症状を発症すると、一般的な白内障と同様に以下の症状が表れます。

水晶体のどの部分が濁るかによって症状のでかたが違っています。

普通の白内障では、水晶体の端のほうから濁り始めるので、初期ではほどんど視力が落ちませんが、糖尿病による白内障の場合、急激に症状が進行する恐れがあります。

真性糖尿病白内障は症状の進行スピードが速く、仮性糖尿病白内障は対照的に症状の進行スピードが遅く、だんだんと白内障症状が現れていきます。

糖尿病白内障の治療

一度白内障が発症してしまうと血糖コントロールを行っても進行を止めることや改善は望めません。最終的な治療手段はやはり手術となります。

手術は水晶体の前面の膜を取り除いて、人口のレンズである人口水晶体を入れます。これにより、視力の回復が可能です。

しかし、糖尿病での白内障は、手術の後に網膜症が発症したり悪化したりすることがあります。

血糖をコントロールする事で進行を抑える事が出来ているという報告がありますが、白内障が現れ始めると進行を食い止める事は難しいので、糖尿病白内障が発症するという事を理解した上で、日ごろから血糖コントロールを積極的に行う事が大切です。

糖尿病の症状や初期症状の気になる部位・症状

このページでは、糖尿病の症状『白内障』について説明しています。
他の部位の症状または初期症状については下記画像をクリックすると詳細ページへ遷移します。

この記事を監修した人

監修:宮座 美帆

経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。

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