糖尿病腎不全とはどのような症状なのですか?
文字から推測すると、腎臓の機能が失われるような気がします。
そして、いったん慢性腎不全になると、腎機能は回復不可能となるようなことも聞いたことがあります。
その腎不全と糖尿病はどのような関係があるのでしょう。
糖尿病腎不全とはどのような原因で、また、症状について解説していきます。
糖尿病は、インスリンの分泌量が足りないかインスリンの効きが悪いために、慢性的に高血糖になってしまう病気です。
そして糖尿病は全身の血管を壊していく病気でもあります。
人間の血管には大小様々な血管があります。
そして、細い血管から先にダメージが加わり、ボロボロになります。
その一番現れやすい場所が腎臓です。
腎臓は細い血管がたくさんあるのですが、腎臓の担っている役割は甚大です。
体内の老廃物は排泄しつつ、必要な水分や栄養分は漏出しないようにしなくてはいけません。
糖尿病のコントロールが悪い状態では、腎臓の血管がボロボロになることで、本来の機能を果たすことができなくなります。
つまり、尿を作り出して老廃物を出すことができず、それでいて必要なタンパク質は漏出してしまうのです。
老廃物が出ていかないことで、カリウムが蓄積されて高カリウム血症を起してしまえば、命の危険があります。
また、タンパクが漏れ出ていくことで低タンパク血症を起してしまいます。
尿量は腎機能の悪化に伴い徐々に減っていき、身体の中に水分が溢れていきます。その状態が腎不全です。
最終的には腎臓が全く機能しなくなって尿を作り出せなくなりますが、高カリウム血症や血液が酸性に傾き、そこまで待てずに人工透析を行う必要が出て来ます。
一度失った腎臓の機能は、そこからいくら生活習慣を改善しても、回復しません。
ですから、糖尿病と診断されたその日から腎不全を予防するために、生活習慣を改善しなくてはならないのです。
しかし、長年かけて身についた習慣を変えるのは、想像以上に大変なものです。本人の意欲がなければ、続きません。
人工透析になると、日常生活の中の大部分を病院で過ごすことになります。
また、いつも決まった量の水分を引けるとは限りませんし、透析後には頭痛や気分不快に悩まされる人も多いのです。
まともに正社員として仕事をこなした上で透析というのは、いくら夜間透析を利用しても実際はかなり難しいものです。
後で困らないようにするためにも、血糖コントロールをしっかりつける必要があるのです。