糖尿病を発症すると皮膚にいろいろな症状がでてきます。
一般に、糖尿病患者の約30%に、なんらかの皮膚病変がみられるといわれています。そのなかには、比較的糖尿病に特有の皮膚病変と、日常ありふれた病変ながら、糖尿病の合併を考慮すべきものがあります。
糖尿病が気になる方はお風呂に入ときなど、普段から皮膚に変化が起きていないか注目する習慣をつけておきましょう。
潰瘍は、糖尿病の合併症の中では非常に代表的で怖い症状のひとつです。
足に頻発する糖尿病合併症の症状として最も代表的なものです。
皮膚疾患が現れたのに気づかずに放っておくと、菌による皮膚の炎症が皮膚の内部にまで進みます。
発見が遅くなり、炎症を放っておくと、細胞が”壊死”を始めてしまうのです。
炎症を起こした箇所から、菌が皮膚や皮膚内部の細胞を破壊して出血、膿などを伴い、壊死をしていくのです。
これは足に出来た傷から発症する例が多いみたいです。
潰瘍を放っておくと、最悪で足の切断どいうことにもなり兼ねない怖い症状なので、出来るだけ早く発見して病院で診察と治療を受ける必要があります。
普段から足の皮膚などの様子は良く観察しておく必要があります。
糖尿病になると、皮膚に尿の中に含まれるブドウ糖が付着してしまう場合があります。
こうなってしまうと、かびの種である真菌が集団で蔓延ってくるので、皮膚が炎症をおこすようになり陰部に痒みが生じる場合もでてきます。
真菌症の代表的なものに般的には水虫という名で知られる白癬菌がありますが、これが糖尿病に合併して発症すると、そうでないものに比べて、菌が広がる範囲が拡大したり、症状が重くなったりする場合もあるのです。
糖尿病の方は、免疫力も低下するため、こういった菌に感染しやすくなります。
また性病などの引き金となるカンジダという真菌は、口の中の粘膜や亀頭、外陰部などに顕著にあらわれる細菌ですが、この細菌も糖尿病と合併しやすいので注意しましょう。
これらの真菌の予防には普段から陰部などを良く洗浄して清潔に保っておくことが必要です。
また、治療する際にはカビなどの細胞膜合成を食い止める抗真菌薬を使用します。
気を付ける点は、うっかりして簡単なひっかき傷など、とにかく皮膚に傷をつけないことです。
代謝能力と免疫力が低下している糖尿病の方は、ちょっとした傷から炎症を起こしやすくなっているのです。
菌というものはいたるところに潜んでいるので、自分の周りの環境にも気遣って、自分の身を自分で守ることも普段から頭の隅に入れておきましょう。
細い血管が阻害されて起きる症状で、中央部が黄色っぽく外周がどす黒い色をした、比較的輪郭がはっきりした班が浮き上がってきます。
おもに下腿の前面にできますが、手の甲や腕にも出来る場合があります。黄赤色で光沢があり、大きさは大小さまざまです。形は円形に近い萎縮斑で、表面はなめらかです。毛細血管の拡張を伴います。
自覚症状をともなわないことが多いのですが、放置しておくと皮膚に潰瘍ができてしまう場合もある ようです。
関連する疾患には、前脛骨部色素斑(ぜんけいこつぶしきそはん)、あるいは多発性環状肉芽腫(たはつせいかんじょうにくげしゅ)があります。いずれも糖尿病による微小血管障害が、基盤にあると考えられています。
日々の観察で早期発見を心がけましょう。
私たちの身体の中を走る血管のうち、末梢血管などの細い血管が障害を受けて、赤ら顔になったり、手足の指や掌、足のうらが赤くなる症状がでてきます。
火傷後のような水泡ができる症状です。皮膚保湿保護剤や潤滑剤などとして効能があるワセリンなどを塗って治療すると数週間で治るケースがほとんどのようです。
しかし、これも数日たっても治らないようなら深刻な事態になる可能性を秘めているので、このぐらい平気だと思わずに、すぐに病院で診察、治療をしてもらいましょう。
ポイントは、毎日観察することです!
なぜよく観察することをすすめるかというと、糖尿病が進行していれば、皮膚の感覚が鈍くなっているので、感覚的に痛い、かゆいなどの自覚症状が薄れている可能性があるからです。
ですから、目で見て発見することが大事になってくるのです。
全体の注意点のおさらいとしては、毎日、自分の身体を隅々まで観察し、皮膚の異常をいかに早く発見して治療するかが大事だ、ということですね。
甘く考えると後々後悔することも十分あり得るので、
自分の身体の状態は常々把握しておきましょう。
このページでは、糖尿病の症状『皮膚』について説明しています。
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監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。