糖尿病を患って亡くなってしまうことはあるのでしょうか?
糖尿病患者が糖尿病で亡くなる、つまり高血糖で亡くなるということは、現代ではあまりありません。
高血糖になると糖尿病ケトアシドーシスを起し、昏睡状態になることはあります。
しかし、低血糖よりも高血糖の方が脳に対するダメージは低く、救急車で搬送されてから治療しても、とりあえず命は助かります。
あくまでもこれはインスリンや人工透析が誰でもできるような医療体制に整備されたことによります。
もしこれらが発達していなかったり、ごく一部の人間しか利用できないものだったとしたら、糖尿病患者はアシドーシスか腎不全による尿毒症で亡くなることでしょう。
では、現代の糖尿病患者の亡くなる原因はどうでしょうか?
やはり糖尿病患者であっても、亡くなる原因の多くを占めるのは悪性新生物(癌)と心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患(脳出血や脳梗塞)な訳です。
糖尿病患者は血管のダメージが合併症としてありますから、脳梗塞や心筋梗塞を起こす率が非糖尿病患者よりも高いことは確かです。
結局のところ、糖尿病であろうとなかろうと、亡くなる時は癌・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血のどれかに入ることが多いということです。
しかし、それを若いうちに起こさないようにするためには、糖尿病のコントロールは必須です。
癌は死因の1位を占めていますが、実際は年単位で癌細胞が増殖していくので、数年間は生きていられます。
しかし、心筋梗塞や脳梗塞は、発症して数時間以内に亡くなることが多い病気です。
病院にすらたどり着けないこともあります。
それでいて、糖尿病患者はこれらの大血管の障害による病気にかかる率が高い。
そうなると、やはり糖尿病のコントロールをすることが、必須です。
いかに大血管障害を起こさないように、糖尿病をコントロールするか。
それが、ひいては癌の予防にもつながるのです。