血糖値を下げる食品。お酢について

血糖値が気にする方にとって、栄養素に気を配ることはどうしても必要となることであり、それだけ懸案事項となります。
それゆえに、食事が偏りがちな方や好き嫌いの多い方にとっては、必要な栄養素を効率よく取得する手段として、サプリメントや健康食品などを選択するケースもあるでしょう。
しかし、普段の食事にひとつの調味料を加えることで、血糖値への好影響を与えるばかりか、その他の健康効果をも得られる場合があります。
この記事では、「お酢」が与える健康への効果について解説します。

お酢

血糖値や健康へのお酢の影響について

血糖値が高い状態が続き、より重症化すると、糖尿病などのリスクが高まります。
糖尿病の辛さは、多くの経験者が語っているとおりで、重症化した糖尿病では死亡する可能性も高くなります。
そもそも、糖尿病がどうして糖尿病と呼ばれるのか、というと、名は体を表す、という言葉のとおり、尿に糖が含まれることからその名がついたわけですが、ではなぜ尿に糖が含まれるのでしょうか。
それは、体内で吸収することができなかった糖分が、尿と一緒に排出されるためです。
つまり、体内で糖を適切に処理できていないことが最大の原因といえるのですが、このような状況に非常に効果的とされる調味料があります。
それは、日本人が伝統的に用いている「お酢」です。
お酢は基本的に発酵食品の中の一つで、発酵食品は血圧や血糖の上昇を緩やかにする効果があることは多くの研究からも明らかになっているところです。
しかしその中でも、「お酢」は、「黒酢」などが健康によい、といったような情報をお聞きになったことがある、という方も少なくないでしょう。
なぜお酢が血糖値の上昇を抑制するのかについては、いくつかの作用が関係していると言われています。

まず、お酢の血糖値上昇抑制作用を語るうえで外せないのが、お酢に含まれる「酢酸」という成分でしょう。
酢酸が含まれている食品を食べることで、人の身体は胃から腸へ食べ物を送る作用を緩やかにすることができます。
これによって、酢酸を含まない食品に比べ、酢酸を含む食品は食後に急激に血糖値が上がるという状況を回避することができるというわけです。

次に、酢の持つ糖類分解酵素の抑制作用も重要です。
通常、ご飯を食べるとデンプンを体内に取り入れることになりますが、このデンプンは最終的にブドウ糖2個からなる麦芽糖となり、分解酵素によって吸収されます。
お酢は、この分解酵素の働きを抑制する作用があり、これによって糖が吸収されるのを阻害し、血糖値の上昇を緩やかにすることができるというわけです。
お酢には、もうひとつ優れた機能があります。
先ほど話題にした「ブドウ糖」を、ある別の物質に合成する作用があるのです。
これは、筋肉細胞においてブドウ糖をグリコーゲンに合成する作用のことを指します。
こうなるとどのようなメリットがあるかと言うと、血液から筋肉細胞に対してブドウ糖が吸収される量が増えます。
糖尿病を罹患している方に多く見られる傾向として、メタボリックシンドローム気味である方が多いのですが、こういった方々は筋肉細胞へのブドウ糖の取り込みが充分でない場合が多くあります。
このような状況を”インスリン抵抗性”と呼びますが、これにお酢が効果を発揮します。
筋肉細胞への糖取り込みを促進してくれることで、血液内の糖を抑えてくれるからです。
とはいえ、お酢はかなり酸味が強く、臭いもあります。
2,3日は頑張って飲んでみたけれど、やはり習慣化するのは難しい…と感じられるような場面もあるでしょう。

ちなみに、”飲むお酢”として有名なお米から作ったお酢は、実は糖質が多いので、ワインビネガーやリンゴ酢などのお酢のほうがより効果的といえます。(もちろん、米酢を飲んでも充分な効果がありますし、米酢だから悪化するようなことはありませんので、飲まないよりはずっとよいです。)
味や香りに慣れたら、様々なお酢のバリエーションを試してみるというのもよいでしょうし、食事の中に取り入れていくというのもよい選択といえます。
積極的に食事にお酢を取り入れ、血糖値の改善に取り組んでいくのが、血糖値のため、そして身体の健康のためにもいいでしょう。

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