糖尿病の方にとって心配なことと言えば「合併症」があると思います。
糖尿病の方がよくある様な合併症とその治療についてまとめてみました。
糖尿病についての3大合併症(網膜障害、肝臓障害、末梢神経障害)のひとつとしてあげられます。
参考文献「ウィキペディア【末梢神経】」
糖尿病で血糖値が高い事が続くと末梢神経に影響があり、末梢神経障害には2つあります。
多発神経障害 | 手足のしびれ、急に立っときの立ちくらみ(起立性低血圧)、自発痛、男性機能障害、尿障害など |
---|---|
単神経障害 | 顔面など麻痺、足のふとももに筋肉の委縮など |
治療法の基本的なものについては、血糖値が高くならないようにするが大切な事です。
「血糖値コントロール」が治療で第一優先的なものになります。
それから喫煙と飲酒についても制限するか禁止といったことによって血糖値を抑えることに関連があると言われています。
また適度な運動についても自律神経障害については有効的と言われています。
こういった生活習慣の改善が基本的におこなれます。
それ以外の服薬については、症状が改善されない場合や症状が悪化した場合などに行われます。
服薬による血糖値コントロールと末梢神経障害との関係性ですが、糖尿病になって3年以内で末梢神経症状についても重症でない場合は、血糖値抑制の薬「エパルレスタット」が有効という報告もあります。
参考文献「エパルスタットについて 役に立つ薬の情報 専門約学より」
痛みが伴う場合にも服薬があります。
例えば、痛み止めとして一般的な、非ステロイド消炎鎮痛症剤(症状が軽度の場合)は使用されます。
痛みがさらにひどくなる場合は、医師の判断によって、また持病なども考慮して服薬を処方されるようです。
自律神経障害ついては、各症状によって服薬が処方されます。
症状と糖尿病の治療と関連しない場合があります。
原因については、動脈硬化症に関連するものが多く、生活習慣改善や運動療法によって症状が改善される事が多いようです。
参考文献「糖尿病神経障害について 日本糖尿病学会より」
「痛みが軽減した」いうことはとてもうれし事ですが、痛さがなくなった時も注意必要です。
理由としては「本当に良くなったのか」ということです。
特に注意したことは、「症状が進行した」場合です。
痛さがないと勝手に思い込む事は更に症状を悪化させる危険性があります。
必ず一度医師によっての判断が必要なります。
痛さを感じなくなると、足などにタコや傷ができてもそのまま放置され、そこから雑菌が入り、組織が死滅してしまい最悪のケースは切断ということに繋がるからです。
膵臓の炎症が繰り返され膵臓全体が硬くなり委縮する病気です。
症状としては腹痛などの痛みや消化吸収障害(下痢、脂肪便)、インシュリン低下などがあります。
慢性膵臓炎の為の障害で「消化吸収障害」の為に通常の糖尿病の方より低血糖になり易いのが特徴的です。
また、高血糖の状態が続くと体内にケント体が蓄積して酸性に傾き、脱水症状を引き起おこし、意識障害になるとがありますが、慢性膵臓炎がある方の場合こういった症状が出ないということも特徴のひとつです。
また消化吸障害の為、比較的やせ方の方が多いようです。
慢性膵臓炎の症状も加わる為、栄養状態が悪いといったことがあるので、通常の糖尿病の方食事制限といった事以外にも栄養状態の吸収の障害あるので医師の指示にしたがった食事療法をとる必要性があります。
参考:1日の総カロリーについては体重×30カロリーが目安です。
また脂肪の消費もありますので、脂質の摂取も40~60gを目安です。
こういった所が通常の糖尿病のカロリー制限があるものと違いがあります。
インシュリンの投与の場合も医師の指示に従ったものになりますが、比較的少ないインシュリン摂取でも低血糖状態になる傾向があるので、少量のインシュリンを効果的に即時作用があるよう医師が指示されますので、したがって下さい。
服薬ですが、糖尿病の治療をする上で慢性膵臓炎の治療もする必要性があります。
その為に、消化酵素薬や胃酸分泌抑制薬などがあります。
消化酵素薬 | ベリチーム(食べ物の消化を助けるもの、脂肪やたんぱく質を分解) |
---|---|
胃酸分泌抑制薬 |
|
参考文献「胃潰瘍・十二指腸潰瘍の薬について アステラス製薬より」
参考文献「糖尿病について(膵性糖尿病について) (日本消化器学会著書による)医療情報サービスmindsガイドラインセンターより 」
「糸球体」という血液をろ過するものが詰まって排泄物などが排出できなくなり、長期間にわたり、肝臓機能が低下している状態です。
慢性的な肝不全の状態になると肝臓機能の回復は難しく、透析などによっての治療と進むことになります。
慢性肝不全の原因としては高血圧が挙げられますが、糖尿病によっても併発されますので注意が必要となります。
※早い時期に尿検査(アルブミン尿の検査)を行うことで症状を知ることで改善することもありますのでできる限り早期発見が望ましいと思います。
糖尿病のある方の場合、食事療法については、戸惑うことがあるかもしれません。
なぜなら、糖尿病の場合はタンパク質の制限はないからです。
食事療法については糖尿病の制限などもありますが、慢性腎不全(腎臓機能の低下を防ぐ)の制限もあり、一人一人症状によって違ってきますので、確認し・納得のいくように食事療法することをお勧めします。
糖尿病との関係がありますので単純な肝臓病の食事療法といけませんが、肝機能が低下することで、本来必要とされるエネルギー源も排出されることもありますので、必要なエネルギーの確保は必要となります。
ただし糖尿病の血糖値にも配慮したものは必要ですので、必ず医師や担当の方と相談の上取り組む必要性があります。
参考文献「食事療法について 国立循環器病センターより」
肝機能低下の予防段階では服薬さるものがあります。
糖尿病の治療にも使用されるもので、特に高血圧に使用される降圧剤です。
アンジオテンシン変更酵素阻害薬(ACE) | アンジオテンシンⅡという物質になる事で血管が収縮して血圧があがる為その変化をさせないようにアンジオテンシン変換酵素を阻害するものです。 |
---|---|
アンジオテシン受容体拮抗薬(ARB) | アンジオテンシンⅡといゆう物質はAT1受容体を通じて血管を収縮させて血圧を上げる為、AT1受容体に作用することで血圧上昇などの効果を抑えるものです。 |
参考文献「ACEとARBについて 薬剤師.comより」
肝機能低下に伴う排尿障害の影響でむくみがある場合などには利尿剤があり用されます。
また、利尿作用を促進させることで血圧を下げることもあります。(利尿剤が降下剤として使用される場合もあります。)
糖代謝(糖尿病)に影響がある場合もあるで医師による服薬支持により利用されることになります。
肝機能障害が著しく機能低下した場合には透析によっての治療が必要となります。
一般的には血液透析となり、血液を一度外にあるダイアライザーという装置に通しけ血液の不純物を取り除いて循環させるものです。
血液透析する時には、事前に腕の中に「内シャントン」という血が固まらない素材できたチューブを静脈と動脈に繋いだ管を設置して透析の際にそれを機械に接続して血液を循環させる必要があります。
透析については、週に数回4時間くらい行う必要性があります。
参考文献「血液透析治療について 大阪府立急性期総合医療センターより」
透析には腹部透析というものがあります。CADA療法というものです。
メリットとしては、透析に時間を拘束される必要性がないと言うこと(自宅にて行う為)
デメリットとしては雑菌が入る場合の危険性(腹膜炎に繋がる恐れあり)と自分で行う必要性があるということです。
どちらの透析方法がよいかは担当の医師との相談の上で行うことになるでしょう。
参考文献「CADAとは 大阪府立急性期総合医療センターより」
耳鳴りの原因については様々ありますが、糖尿病が原因の場合もあります。
耳鳴りの治療については基本的には症状の緩和させる対処療法が主ですが、原因が特定されれば、その原因を排除することによって症状が改善されることがあります。
服薬 | (ビタミンB1*疲労回復の為、血管潤滑薬、精神安定薬など) |
---|---|
ステロイド治療 | 耳の内耳部分にステロイド剤を注入すると耳の神経の興奮状態が落ち着く |
混合ガス療法 | (内耳の血行促進の為のもの*酸素95%で5%の濃度の炭酸ガスを30分吸引します。) |
ストレス軽減 | (針、マッサージなど) |
音響療法 | (TRT療法マスカー療法)耳に雑音を聞くことで耳鳴りに慣れるようになるもの |
基本的には、根本的な治療方法はなく、複数の治療方法を組み合わせて治療され、「雑音」に慣れることで耳鳴りを感じなくようにするものが中心となります。
特に耳鳴りについては、ストレスなどの要因が大きいと考えられる為、ストレスを溜めない気にならないようすることが大切です。
味を感じるということは舌にある「味蕾(みらい)」という細胞が脳に伝達されて味が感じられています。
糖尿病の方は神経障害や血管障害の為にこの伝達がうまくできず、味覚障害となることもあります。
薬によって、または、尿によって多く亜鉛を排出し、亜鉛の吸収が少ない場合は味覚が鈍ると言われています。
この場合亜鉛を投与すると回復する場合があります。
特に亜鉛を含まれるものとしてはタンパク質がありますので食生活についてのポイントとなるでしょう。
参考文献「味覚障害と亜鉛 日本微量栄養素学会より」
また、末梢神経障害からの場合でも亜鉛不足が考えられます。
薬物による亜鉛不足障害の場合はいしとの相談のうえ、服薬中止と現在服薬している薬と違うものを処方してもらいなどの対応が必要となります。
参考文献「重篤副作用疾患別対応マニュアル 厚生労働省より」
口の中の渇き(ドライマウス)の予防についてですが、口の中の唾液の分泌をよくすることで味覚障害が改善されることもありますので、口の中の渇きに注意して、食事の時が良く噛んで唾液の分泌をよくするように心が得る必要があります。
参考文献「ドライマウスについて 日本微量栄養素学会より」
糖尿病がもとで他の病気となる場合について、その症状の原因が糖尿病ということで、その病気単独の場合よりも治療方法としては複雑になる場合があります。
しかし、あまり考えすぎず、日常的にできることを行うことで「糖尿病と共に生きる」といった感じで深刻になりすぎないで、悩みや問題点は医師などに相談しながら症状の改善に取り組むとよいのではないでしょうか。