インスリンを分泌する臓器として、「糖尿病=膵臓」を思い浮かべる人が殆どではないでしょうか?
実は、血糖値を精密にコントロールしているのは肝臓なのです。
「沈黙の臓器」といわれる肝臓が、現代人の生活習慣で危機を迎えています。
この人間の体でとても大切な臓器を守って行くために、糖尿病と肝臓との関係を検証してみましょう。
胃腸で吸収された栄養分は、門脈を通って肝臓に運ばれます。
栄養素の代謝の中心的な役割を果たしている肝臓には、500以上の機能があるのです。
肝臓はブドウ糖に対し、特別な任務を持っています。
血中ブドウ糖を取り込み、グリコーゲンを合成し蓄えてくれるのです。
血糖値が下がると、肝臓に蓄えてあるブドウ糖を放出するタイミングと言えます。
大切なことは、血中ブドウ糖の維持・生産は肝臓にしか出来ないということです。
脂肪肝や肝硬変になってしまうと、血糖コントロールが難しくなってしまうのです。
食事で取った炭水化物は、肝臓のグリコーゲンの補充が満杯になると脂肪酸やコレステロールへと変化します。
ブドウ糖の場合は、代謝経路に段階を経て行きます。
しかし、アルコールや果糖は一気に中性脂肪へと進むのです。
2型糖尿病が「老人病」だと思われていた昔とは違い、最近は子供が患うケースが出て来ました。
スナック菓子や、ファーストフードでの糖分の取り過ぎが、脂肪肝の大きな原因となっているのです。
メタボ体型や肥満の人の、2型糖尿病患者が受ける肝臓トラブルはハイリスクです。
非アルコール性脂肪肝は、糖質制限食で脂肪がすぐに減ります。
常日頃からヘルシーな食事を心がけ、運動に励みましょう。
それが、一番糖尿病にも肝臓にも良い結果をもたらすのです。
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