糖尿病からくるかゆみとは

肌のかゆみをもたらす意外な病気に糖尿病があります。
糖尿病はかゆみの症状を伴うことが多いです。

患者のおよそ3人の1人は肌のかゆみを感じるようになるともいわれています。

現在、糖尿病予備軍も含めると国内で1800万人もいるといわれている病気だけに、肌のかゆみの大きな要因となっている可能性も高いのです。

皮膚のかゆみや乾燥は、糖尿病の症状の中でも、比較的早くにあらわれます。皮膚科を受診してみて、糖尿病が見つかった人もいるそうです。

細菌やカビなどが感染することで皮膚にかゆみを生じることがあります。

さらに、皮膚から細菌が感染することによって、高熱が出たり、糖尿病性昏睡を引き起こす可能性もあります。

その他、皮膚症状としては、おできができたり、ブドウ球菌が皮膚に感染することで腫れや痛みなどを生じることがあります。
このできものは治りにくく、強い炎症を起こして膿(うみ)がたまり、大きいものでは手のひら大ぐらいの大きさに腫れあがることもあります。

また、合併症の感覚神経障害で足や手の先がチクチクかゆむことあります。

糖尿病が原因で発症しやすく皮膚の病気には白癬症とカンジダ症が代表格として挙げられます。

白癬症は水虫に代表されるカビの一種です。
足の裏や手足の指、さらに陰部のかゆみとなってあらわれるのが大きな特徴です。
かゆみだけでも大きな問題ですが、放置しておくと2次感染を起こし、糖尿病性壊疽を引き起こす可能性もあります。1度発症すると自然治癒はできないため、できるだけ早い段階で薬で治療を目指すことになります。

カンジダ症は性感染症の一種として挙げられることが多い病気です。とくに女性に発症しやすく、陰部や肛門、あるいは太ももの内側や乳房の下の部分などにかゆみが生じやすくなります。

糖尿病かゆみの原因

血糖値が高い状態が続くと、体の抵抗力が低下し、細菌などに感染しやすくなります。
糖尿病で高血糖状態になると糖分を尿で排泄する回数が多くなり脱水症状になりやすくなります。

その他に、糖尿病による多尿などが原因で、体が脱水状態になり、皮膚が乾燥してかゆみを感じるようになります。また、発汗量も増えるため、抵抗力が弱った皮膚を汗が刺激することで、かゆみを起こすこともあります。

また、合併症で自律神経障害が起きていると、発汗機能に異常が起きて、肌の乾燥につながることもあります。
特に冬などのように乾燥した時期や場所などに行くと乾燥肌によるかゆみの症状も現れやすいです。

糖尿病かゆみ対策

やさしくこまめに汗を拭きとり、皮膚の清潔を心がけてください。紫外線の刺激にも弱くなりますので、特に夏は、皮膚を晒さないなどの対策をしましょう。

糖尿病を治療すれば、自然とおさまりますが、かゆみはなかなか我慢することができません。保湿クリームやかゆみ止めなどを処方してもらい、触らないようにしましょう。かゆみが起こった場所は、刺激に弱くなっている可能性がありますので、患部を触っていると炎症を起こしてしまいます。

糖尿病の症状や初期症状の気になる部位・症状

このページでは、糖尿病の症状『かゆみ』について説明しています。
他の部位の症状または初期症状については下記画像をクリックすると詳細ページへ遷移します。

この記事を監修した人

監修:宮座 美帆

経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。

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