意識障害と昏睡

糖尿病になると、意識障害や昏睡状態になると聞いたことがあります。
この状態はどうして起きるのですか?理由を教えてください。

糖尿病患者のコントロールが悪いと、時に患者が意識障害を起こしたり、昏睡状態に陥ることがあります。
これを急性合併症といいます。
糖尿病患者がこのようにレベル低下を起こす理由は、主に下のように分けられます。

インスリン治療や経口薬でも直接インスリン分泌を促す作用のある薬を使用している場合には、低血糖を起こすことがあります。
逆に高血糖を起こしても、見た目には同じように昏睡状態のことがあります。
また、糖尿病患者は全身の血管がダメージを受けているので、脳血管疾患や心疾患に罹るリスクが、非糖尿病患者よりも高くなります。

糖尿病患者が昏睡を起したら、その理由は主に上の3つが考えられます。
ただし、それ以外の疾患による意識障害を起こすこともあるので、あくまでも大まかな分類ですけれど。

昏睡はなぜ起こっているのか?

一口で昏睡って言っても、①低血糖 ②高血糖 ③その他(脳血管疾患・心疾患)が理由と学びましたが、実際に昏睡になってしまった場合の処置は全て同じなのでしょうか?

糖尿病患者が昏睡状態に陥り意識障害のある場合は、まず「何が問題か」をはっきりさせなくてはなりません。
低血糖と高血糖では対応が全く反対ですし、脳血管疾患と心疾患では専門的な治療のできる施設へ搬送しなくてはいけないかもしれません。

ですから、まずは患者の血糖を測ることが優先です。
そして低血糖であればブドウ糖を飲ませるか、それすらもできなければ、医療機関でブドウ糖の静脈注射をします。
また、高血糖の場合も医療機関へ搬送し、インスリン治療を始めアシドーシスや糖尿病ケトアシドーシスに対する治療が必要となります。

もし低血糖でも高血糖でもない場合、脳血管疾患や心疾患が強く疑われますので、それぞれ急性期治療が可能な病院へ救急搬送する必要があります。

糖尿病患者は、少しのことで血糖コントロールが乱れることがあります。
ですから、家族や職場等、周囲の人にもし自分が倒れた時の対処をお願いしておきましょう。
軽度の低血糖であれば自宅処置で対応が可能ですが、昏睡状態になると救急搬送が必要になります。

まとめ

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