血糖値を下げる効果のある意外な食べ物

血糖値について、これまで解説してきました。
血糖値を下げたいと思っても、急激に下がることはなく、日々の食事や運動などの生活習慣、そしてインスリンの分泌を促すために身体の調子を整えるなど、地道な生活習慣の改善によってのみ、血糖値を下げることが可能となるのです。
しかしその一方で、血糖値を下げる効果のある食べ物というものもいくつか知られています。
その代表といえる食品が、アーモンドです。
アーモンドの、血糖値を抑える効果について解説します。

アーモンド

アーモンドは血糖値を下げる?

アーモンドは、非常に身近な食材と言っても差し支えないでしょう。
スーパーやコンビニなどでも手軽に入手することができ、すでに間食で日常的に食べているという方も珍しくないかもしれません。
このアーモンドは、実は非常に健康によい食物として、最近注目を集めているのです。

その中のひとつに、「血糖値上昇を抑える働きがあるのではないか」という指摘がなされています。
では、アーモンドはどのように血糖値に対して作用するのでしょうか。
その答えは、アーモンドに含まれている物質のうち、「クロム」というミネラルと、「アルギニン」というアミノ酸の一種。
この2つの物質がキーとなっています。

まずクロムという物質について解説しましょう。
クロムはもともと金属です。
人体にとっても必要な金属で、(鉄やマグネシウムなどと同じ感覚ですね。)
クロムは人体にとって必須元素であるとされています。
このクロム、とくに3価クロムと呼ばれるクロムについては、糖の代謝を助け、耐糖因子の材料となっているということがわかっています。
逆にいうと、この点において、クロムが不足すれば糖尿病などのリスクが高まるということもいえます。
そして、このクロムが含まれているアーモンドは、血糖値を抑制するはたらきを示してくれるということです。

次に、アルギニンについて解説しましょう。
アルギニンは必須アミノ酸のひとつとされており、体内での合成が不可能なものです。
つまり、外部から取り入れなければなりません。
このアルギニンがどのようなはたらきをしているかといいますと、ずばり、血糖の代謝にかかわる、インスリンとグルカゴンの合成というはたらきをしています。
インスリンが血糖値を抑えるはたらきをすることはすでに解説したところですが、この合成をするために必要なのが、アルギニン酸というわけです。
このアルギニン酸とインスリンの関係性、よりくだけた言い方をすれば、アルギニン酸が本当にインスリンの合成を助けるのか、ということについて、2009年にイタリアで実験が行われ、アルギニンにはインスリンの感受性を向上させ、結果的に血糖を抑えるはたらきがあることが報告されたとのことです。

さて、このようにアーモンドに含まれている成分がどうやら血糖値を下げるにあたってよい影響を及ぼしそうだということまではわかったのですが、「何事も限度が重要」というように、このアーモンドについても適切な摂取量というのがあります。
アーモンドを間食として食べるのであれば、おおむね1回に食べる量は10粒程度というのが適切な量といえるでしょう。
注意したいのは、アーモンドが血糖値低下によい影響を与えるからといって、アーモンドを食べているから他のことは何も気をつけなくてよいということではなく、あくまで血糖値を管理するうえでの補助として用いるべき、ということです。

また、せっかく血糖値を気にしているのなら、アーモンド自体にも気を配りたいところです。
アーモンドそのものだけならばよいのですが、市販のお菓子やおつまみなどの場合には、添加物や原材料にも気をつけましょう。
たとえば糖分が含まれていたり、チョコレートなどでコーティングされているようなものの場合には注意が必要といえます。

アーモンドチョコレート

ちなみに、予備知識として、アーモンドにはビタミンEが豊富に含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用があり、老化を防ぐ役割を持っています。
そのうえ、悪玉コレステロールを増加させず、酸化させないポリフェノールが豊富に含まれていることも知られています。
このことからも、アーモンドは血糖値についてだけではなく、非常に健康によい食品であることがわかります。
ぜひ、日々の食事に取り入れてみてくださいね。

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