糖質制限食で何を食べるか(主食編)

糖質制限食については前回、ご紹介しましたが、食費が高くつくデメリットについても説明しました。
稲作文明の日本では、酪農が国内に入ってきたのは明治以降です。
気候も北海道以外は酪農より、稲作のほうに適していることも事実。

どうしても食肉文明は遅れてしまい、蛋白源の牛肉や豚肉、割高になってしまいました。
それに比べると、漁業は明治維新前から盛んです。

戦前の日本の食文化は魚肉中心、牛肉や豚肉を常食にしたのは戦後、食生活の欧米化が進んでからです。
いま、話題のTPPが実施されれば、牛肉や豚肉の関税が抑えられ、大幅に安くなるでしょうが、日本の酪農業者は全滅しかねません。
安い食材で、栄養バランスを調整したい糖尿病患者には、TPPは嬉しいのですが、酪農業者にとっては、避けて欲しいことでしょう。
私が糖質制限食に挑戦したのは、5年以上前の話なので、TPPなど今のように話題にもなっていません。

積極的に食べても大丈夫な食材と避けたほうがいい食材をわける

とにかく、経済的に糖質を抑えるにはどうするか、色々工夫をしてみました。
経済的に糖質を制限するには、積極的に食べても大丈夫な食材と避けたほうがいい食材をわけること。その知識をもつことでした。

まずは避けたい食材

糖質制限食は主食に制限を設けることはその名称が示すとおりです。
ごはんやパンを減らすことが早道ですが、それが食費を割高にする原因でもあります。
同じごはんやパンでも、血糖値を上げにくい食材を選ぶことも重要です。
健康食品として、取り上げられるので、玄米や全粒粉のパンやライ麦パンをご存知の方も多いと思います。

まず糖尿病食を考えるとき、気をつけなければいけないのは、グリセミック指数という数字です。
この値はグリセミック・インデックスの頭文字をとってGI値とも呼ばれる数字。
最も血糖値を上げるブドウ糖を100という基準値にしてそのほかの食品が、どの程度血糖値を上げるか、食材ごとに数値化しているのです。

主食で最もGI値が高いのは食パンで91もあります。
次に高いのは白いごはんで81。
うどんはごはんよりすこし低くて80。
パスタは65なのでうどんよりは低いのです。
ほかの麺類を比較すると、日本そばが54で、全粒粉のパスタと中華そばはそれぞれ50です。

共通して言えることは、穀物は精製加工するとGI値が一気に上がるということ。
白いごはんの81に比べて玄米は55と随分低いのですが、パンはさらに差が広がります。
精製した白い食パンの91に比べると全粒粉パンで50になるのです。

食パン 91
白いごはん 81
うどん 80
パスタ 65
日本そば 54
全粒粉パスタ・中華そば 50
玄米 55
全粒粉パン 50

玄米のメリット

健康食品といわれる玄米や全粒粉のパンが、なぜ健康によいのかこの数字でもあきらかですね。
ほかにも、玄米食のメリットはあります。
咀嚼回数(噛む回数)が増えるので満腹感が得やすいこと。
胚芽や糠(ぬか)にはビタミン・ミネラル・食物繊維が多いことがあげられます。

玄米のデメリット

ところが、玄米食にはデメリットもあります。
白米より消化しにくいので胃腸に負担がかかり、便秘や下痢になりやすいこと。
白米とカロリーや等質はほぼ同じなので、食べ過ぎれば意味は無いこと。
白米に比べると玄米は割高ですし、白いパンに比べると玄米パンは割高になること。
ここでも経済が絡みます。
お金の話が出てくるのです。

お金の話

加工前の食品が加工後の食品より割高なのは不思議な気がしますが、大量に流通しているのが加工後の白米や全粒粉パンであることを考えればよくわかります。
資本主義社会では、流通量が大量になればなるほど、安価になるのが経済の鉄則です。
戦前は玄米の方が安かったので、玄米を買ってきて精米する家庭もあったほど。
玄米から糠(ぬか)や胚芽部分を取り除く作業ですが、わざわざビタミンやミネラル豊富な部分を取り除くわけですからもったいない話です。
今回は主食とGI値について、ご案内しました。

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