糖尿病と人工甘味料

糖尿病を気にする人のため、最近では、清涼飲料水やスウイーツに砂糖の代わりにカロリーの低い人工甘味料が広く使われるようになってきました。
「カロリーゼロ」「カロリーオフ」といったキャッチフレーズを目にしない日はありません。

典型的な人工甘味料は、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリンなど。
これらには、砂糖の何百倍もの甘さがあるのに砂糖よりカロリーが格段に低いという特徴があります。
このことに注目し、コーラ、缶コーヒー、カクテル、ケーキ等々、幅広く使用されています。

しかし、最近になって、これらの人工甘味料には、かえって糖尿病を引き起こし、悪化させるリスクがあるという研究結果が発表されたことが波紋を呼んでいます。

イスラエルの研究チームが、イギリスの科学誌ネイチャー電子版に9月17日に発表したところによると、菓子や清涼飲料に広く使われているサッカリンなどの人工甘味料には、代謝に関わる腸内細菌のバランスを崩し、かえって血糖値が下がりにくい状態にする作用があることが分かったそうです。

カロリー摂取量は減らせるものの、逆に、糖尿病や肥満といった生活習慣病のリスクが高まる可能性があるとのこと。
別の人工甘味料のスクラロースやアスパルテームにも同じ作用があることをマウスの実験で示しています。

また、同研究チームは、イスラエルの約380人を対象とした調査において、「人工甘味料を多く摂取する人は摂取しない人に比べ、体重や腹囲の増加に加え、血糖値や糖尿病に関係する血液指標の上昇がみられる」ことを確認。
さらに少人数のグループやマウス実験で詳しく調べると、人工甘味料の摂取量が多いと、消化や代謝に関わるさまざまな腸内細菌のバランスが変化し、かえって血糖値が下がりにくい状態になることが分かったというのです。
要するに糖尿病に似た状態になることが確認されたということです。

この研究結果には各方面から強い反論も寄せられているのですが、糖尿病予防の救世主とも考えられていた人工甘味料に弊害があるとの報告には、消費者として留意が必要ですね。

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