Ⅰ型糖尿病根治への期待

世界保健機関(WHO)の統計によると、全世界の糖尿病患者は、1型、2型を合わせると3億人を超しています。
今や糖尿病は先進国だけでなく、世界共通の課題になっています。

糖尿病の治療方法の確立が待たれる中、インスリンの分泌に関わる腎臓のベータ細胞を、幹細胞から人工的に作製する方法が確立される可能性が出てきた、理屈の上では、これを移植すれば1型糖尿病を根治できる可能性があるとのこと。
この画期的な研究を率いたのは、1型糖尿病の子を持つ父親だというのです。

1型糖尿病は子どものうちに発症することが多く、膵臓にあるベータ細胞が、体内の免疫系によって攻撃され破壊される病気です。
1型糖尿病は遺伝的な要因も関係しています。
20年前に幼い息子が1型糖尿病と診断されたとき、その方は自分で治そうと決意したそうです。

ベータ細胞は血糖値の変動にきわめて正確に反応します。
食事をとると、ベータ細胞はインスリンの分泌量を増やして、あまった糖分を処理できるようにする。
一方で血糖値が低下したときは、インスリン濃度も低下させる、というメカニズムです。
このメカニズムが狂ってしまうと、糖の代謝が阻害されてしまい、糖尿病を発症してしまうのです。

1920年代以降は、インスリン注射の登場によって、1型糖尿病の患者も生命を維持できるようになりました。
しかし多くの患者は神経の損傷や、傷の治りが遅いといった問題を抱えており、中には失明する人すらいます。

ここに幹細胞研究が希望をもたらしました。
その方は、過去15年にわたる研究の結果、ようやく実験用マウスにおいて、実際のベータ細胞とほぼ同等の機能を持つ代替細胞の作成に成功したそうです。
ヒトに対する試験も2~3年以内に開始できるとのこと。
今後の研究の進展に大いに期待したいものですね。

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