1型糖尿病の診断基準

1型糖尿病の特徴

1型糖尿病の検査

1型糖尿病の診断基準

血液中インスリン値の検査 → ほとんど『0』

血中インスリン検査とは、血液中のインスリンの濃度を調べる検査で、すい臓から分泌されるインスリンの量や、どのように分泌されるかを調べます。
インスリンは通常であれば、血液中にブドウ糖が増えることですい臓のβ細胞が刺激されて血液中に分泌されます。
健康な人の場合は、血糖値の変化と同じように、血糖値が上がれば血中インスリン値は上がり、血糖値が下がれば血中インスリン値が下がります。
しかし、1型糖尿病は、血中インスリンがほとんど0です。

尿中C-ペプチド(CPR)の検査 → ほとんど『0』

殆ど0ならば、1型と判定されます。
C-ペプチド(CPR)は体内でインスリンが作られるときに生じる物質です。
C-ペプチド検査とは、すい臓のインスリンの分泌量の測定をする検査です。
尿の中の C-ペプチドという物質の量がどれぐらいかをはかります。
なぜ、尿の中のC-ペプチドをはかるとインスリンの分泌量がわかるかというと、すい臓では、プロインスリンという物質が分解してインスリンがつくられる過程で、C-ペプチドが生じます。
尿にふくまれるC-ペプチドの量を調べれば、インスリンがどれだけ分泌されたのかがわかるんです。
1型糖尿病は、尿中C-ペプチドがほとんど0です。

抗GAD抗体(グルタミン酸脱炭酸酵素)があるかどうかの検査 → 陽性

抗GAD抗体とは、自己抗体の一つです。私達の体の免疫機能は、体内に異物が入ってくるとそれに対する抗体をつくって攻撃し、破壊します。
しかし、自分の細胞を異物と認識してしまい、それに対する抗体ができると、自分の細胞に対する抗体である自己抗体ができてしまい、自分の細胞を攻撃してしまいます。これを自己免疫反応といいます。
1型糖尿病の原因の1つとして、この自己免疫反応が考えられています。
インスリンをつくるすい臓のランゲルハンス島のβ細胞を、免疫機能が誤って異物として攻撃し、破壊してしまうことで起こるとされています。
1型糖尿病は、抗GAD抗体(グルタミン酸脱炭酸酵素)の検査は陽性です。

ICA(膵島細胞抗体)があるかどうかの検査 → 陽性

陽性なら1型糖尿病と判定されます。
ICA(膵島細胞抗体)は、すい臓のランゲルハンス島の障害や数を反映する検査です。
1型糖尿病の発病やインスリン分泌能力の低下を予測することができます。
1型糖尿病は、ICA(膵島細胞抗体)があるかどうかの検査は陽性です。

1型糖尿病への詳細リンク

糖尿病1型について、詳細をまとめています。クリックすると詳細ページへ遷移します。

この記事を監修した人

監修:宮座 美帆

経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。

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