糖尿病と肥満が関わる高血圧

毎年我が国だけではなく、世界各国においても糖尿病と診断される方は未だ後を絶ちません。
それだけ糖尿病という病気は、罹患し易く人生において常に隣り合わせであり、警戒し続けなければならないと考えるべき・・・いえ、ちょっと待って下さい。

たしかに、常に糖尿病を警戒する事は予防の上で大切な事ではありますが、生涯糖尿病を警戒し続けるのは疲弊を招き、ナンセンスであると言えます。
しかし世間において、糖尿病に対する危険性は従来より周知されているにも関わらず、新規患者が後を絶たないという現実は、糖尿病という病気がいとも簡単に罹患してしまうという事実である他無いのを証明していると考える方も居るのです。

糖尿病患者の共通点

ですがよく考えてみて下さい。
全てが該当する訳ではありませんが、圧倒的とも言える多くの糖尿病患者にある共通点があるのです。
それは「肥満」です。
糖尿病患者の割合の多くがいわゆる「太っている」方なのです。

この理由は、糖尿病と肥満が極めて密接な関係にある事が挙げられます。
肥満は生活習慣病の原因と言われていますが、糖尿病こそ生活習慣病の最たる病であり、糖尿病と肥満は切っても切れない関係なのです。
時折、遺伝性であったり妊娠による肥満とは関わりがないものを起因とした糖尿病もありますが、あくまでそれは糖尿病患者全体の1割にも満たないのです。
よって、肥満は糖尿病のリスク要因として警鐘が鳴らされている訳です。

糖尿病と高血圧

糖尿病患者の多数が、糖尿病であると同時に高血圧である事はご存じだと思います。
理由は、高血糖状態の場合細胞の水分が浸透圧の関係で血管内へ放出され、その結果血液量が増加します。
それにより血圧上昇となるのです。
それともう一点、緊張した交感神経によりアドレナリン等が過剰分泌し、それに伴い血圧上昇を引き起こすケースもあるのです。
今回の場合、問題となるのは後者となります。

糖尿病だけでなく、肥満の方も血圧が高いという事実は概ねどなたでもご存じかと思われますが、それは何より「交感神経を緊張させる」事により引き起こされるのです。
これだけでも、肥満が糖尿病を進行させる要因となる事の判断材料としては十分でしょう。

高血圧となれば、当然血管にダメージが行きます。
糖尿病が血管を著しく痛めつける背景には、高血圧という要素も隠れているのです。
そして何より、高血圧には「これと言った症状」が無く、長い年月を掛けて少しずつ体を蝕んでいくのです。

この症状、何処かで聞いた事がありませんか?そうです。
糖尿病も同じく「これと言った症状」が無く、長い年月を掛けて体を蝕みます。
このように、糖尿病と高血圧には極めて似通う共通点があるのです。
よって、高血圧を招く肥満は糖尿病の大敵になります。
肥満の方に糖尿病患者の割合が多いのは、上記の理由によるものが大きいのです。

減量の大切さ

糖尿病は血管を痛めつけます。
高血圧も血管を痛めつけます。
その結果、糖尿病合併症への移行が糖尿病単独である事よりも促進され、それこそ日常生活が二度と送れなく可能性もあります。
ですので、肥満であり糖尿病である患者は医師から減量を求められるのです。

現状、肥満でない方はそれほど強く糖尿病を意識する必要はありません。
日頃、体重に気を付けていけば良い程度でしょう。
肥満である方は、それ以上の脂肪の蓄積が糖尿病に繋がる・・・繋がっていなくても、高血圧により少しずつ体は蝕まれ、結局糖尿病を罹患してしまう可能性を考え、生活習慣を早急に見直さなければなりません。

糖尿病は生活習慣病の中でも警戒すべきものです。
しかし無闇に怖がるのではなく、改善すべきところを改善する事で、糖尿病という病気はあなたから少しずつ離れていくのです。
「今のままで良いのか」をよく考え、今後の自分がどうして行くべきか、どのような方針であるべきかを決めていく事が必要です。

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