糖尿病の検査基準と自宅でできる糖尿病検査

はじめに

糖尿病の疑いがあって、糖尿病の検査を受けた時の検査結果や糖尿病と判定をうけてから定期的に病院に通院することになり血糖値コントロールの為に定期検査を受ける時があると思います。
検査結果について、どういった基準があって、どの位の数値が良いのかなどが分かりにくいと思います。

それでは、今回は糖尿病の検査について各検査結果の基準などについて説明していきましょう。

糖尿病の検査基準について

糖尿病の検査についてですが、基本的には採血によるものと尿によるものとどちらかの結果によって表わされたものになります。

まず、糖尿病であると判定する場合の検査結果の基準については血液の検査の結果で行われるものが採用されています。

まずは、血液中の血糖値によっての判断があります。
空腹時の血糖値と(75gOGTT)経口ブドウ糖負荷試験の2つの検査の結果で2つとも基準値が上回っていると糖尿病として判断され、 空腹時の血糖値が126㎎/dL以上で傾向ブドウ糖負荷検査が200㎎/dL以上、または随時血糖値が200㎎/dL以上の場合は糖尿病と判断されます。

75gOGTT
空腹状態で(10時間)ブドウ糖75グラムを溶かした液体を飲んで2時間後の血液中の血糖値を調べる検査

またヘモグロビンHba1cの数値の判断の併用によっても糖尿病と判断されています。

次に血液中にあるヘログロミンHba1cがどのくらいであるかといったものを表わすものです。
NGHP値で6,5%以上、JDS値で6,1以上の場合が糖尿病であるといったものがあります。

ヘモグロビンHba1aの数値については検査の直前に血糖について改善しても良い結果がでないことにより日頃の血糖値の管理状況について分かるといった面があり、血液採取の血糖値の検査と共にヘモグロビンHba1cの検査の結果を合わせて総合的に判断して糖尿病と判断するケースが多くあります。

ヘモグロビンHba1cの数値については2010年で日本で使用しているJDS値から国際基準で使用されているNGHP値に統一して表記しょうということになり2014年以降については国際基準であるNGHP値を用いるようにすすめられています。

自宅でできる糖尿病検査について

病院で検査を受ける為に時間が取れない場合や、糖尿病かどうか心配な方の為に自宅でできる簡易的な検査があります。

自宅できる検査について2タイプのものがあります。

(1)についは、簡易妊娠検査同様のようなタイプで検査紙利用したもので、尿をかけてその結果で判断するものです。
原則は食後1・2時間の尿で調べます。
検査紙に尿をかけて30程時間をおいて、変化した色で判断します。
付随されている色調表を参考にします。

尿の中に含まれている糖を検査紙で検査するものですが、 高齢者で腎機能が低下されているかたは高い血糖値(170μg/dl以上) でも正しく出ない場合があるそうです。

キットについては薬局やネットにて購入することができます。

(2)の血液を使用したものについてですが、市販で売られているキットや自宅で計測できる計器を利用して計測します。

まずひとつめは検査キットを購入して、キットの説明書に従って、血液を採取してそれを郵送で送り、結果を郵送などで送ってもらうものです。
結果については10日前後程で分かるものが多いようです。

血液の採取についても付随している採取キットをつかって数滴採取するものがほとんどです。
キットについては、薬局やネット販売などで購入することができます。

次に糖尿病の血糖を血液によって測定する家庭用機器についてです。

利用するもの
測定機(血糖計)
測定用チップ
穿刺具
穿刺針

使い方としては、血糖計に測定チップを装着させて、穿刺具(ペンシル型)に針を設置して指から血液を採取して血液を測定計で測定します。

家庭で測定できる血糖管理の為のものについては、あくまでも日頃の生活の為の目安と目標と管理の為に利用する目的のものですので、一定の期間ごとに病院に通院し検査などの管理は必要となります。

糖尿病の検査が献血時にできるものについて

街なかや献血ルームなどで献血をできる所がありますが、この献血の際に糖尿病に関連する検査も一緒にすることができます。

日本赤十字では希望の方に対して献血後2週間で8項目についての結果を郵送にて(親展にて)お知らせしてもらえます。
8項目のなかでAG(グリコアルブミン)の項目が糖尿病の参考の指数になるものです。
過去2週間の血糖の状態を表わしたものです。

血糖以外に肝臓の状態などを表わす指数やコレステロールや総蛋白TPなど生活習慣病の予防にもつながる8項目の結果です。

献血される時に郵送で健康状態が判断できるものも無料で頂きるので利用するのもひとつの方法でしょう。

糖尿病の検査と尿との関係について

糖尿病の検査で尿から行うものがあります。
この時に糖尿病の疑いが数値的にある場合でもかならずそれが、糖尿病が原因とは限らない場合があります。

健康な状態の方でも、検査前に大量に糖分を摂取した時やストレス性ものもあります。
また妊娠中(妊娠後期)についても陽性が出る場合もあります。

一度目の尿検査で陽性がでたとしても血糖などと他の検査と合わせて判断をします。
また再度検査をしたりします。
それでも再び尿糖が陽性な場合そしてその他の検査や問診などを合わせた上で糖尿病と判断します。

例えば、血糖値は正常値であっても尿糖としては陽性の場合もあり、この場合は糖尿病が原因ではなく他に考えられます。
たとえば腎臓の機能低下により尿糖がプラスとなる事があります。

注意点
ビタミンCを含まれた飲料やビタミンCを多く取られると検査紙によっては尿糖が多く排出されていても反応がされない場合があります。

糖尿病の検査とインスリンとの関係について

インスリンの検査については血液中から採取するものと尿から採取されるものついてあります。
尿の場合は1日分ためておいてその尿によって検査します。

血中インスリン(IRI検査)

血液中に含まれるインスリンの量を測定する検査です。
経口糖負荷検査の時に同時に行う事によって血液中の糖とインシュリンの分泌状態やどのようにインスリンが作用しているかを知る為で大切な検査のひとつです。

空腹時のインスリン基準15.1μU/ ml以下

HOMA-β→(空腹時のインスリン値(μU/ml)×360)÷(空腹時血糖値(mg/dl)-63=インスリン分泌能・・・30%以下だとインスリン分泌能力の低下あると考えられる。

血中Cペプチド(CPR)

膵臓でできるインスリンの量を測定しているものです。
インスリンが合成される全段階のプロインスリンが分解するときに発生する物質です。
ほとんどある一定度の割合で分解されず血液中に排出されます。
また尿としても排出されます。

検査方法としては、血液採取と、尿採取になります。
尿の場合は24時間分(1日分)ためておいてその尿で判定します。

基準値(血液)1.2~2,0ng/ml
(尿) 24~97(日)μg
血中Cペプチド検査でしたらインスリンが治療中の方でも採取可能です。

おわりに

糖尿病で現在治療中の方でも、手軽にできる自宅や献血採取時の無料の検査などを利用して日頃からの血糖管理の目安に役立てることは糖尿病の治療にとっては有効なものと考えられます。
無理せず気長にできるものを選んで、血糖値の維持に繋がる様にすることは大切です。

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