糖尿病によってアルツハイマー病の発症リスクが高まる理由

糖尿病とアルツハイマー病の意外な関係が、明らかになってきました。
それぞれの原因に、類似点が多く見られることがわかってきたのです。
脳内でインスリンが適切に作用しないことで、アミロイドβと呼ばれる物質が溜まることが原因と考えられています。

ある研究によると、こんな結果が出ています。
アルツハイマー病患者の脳内では、インスリン分泌が低下する糖尿病と同じ状態になることが判明したのです。
つまり、脳内の糖尿病を改善することで、アルツハイマー病の有効な治療につながるということになります。

糖尿病の合併症として、アルツハイマー病の頻度が高いことが注目されています。
糖尿病の改善には、インスリンの分泌が欠かせません。
しかし、何気ない不規則な生活習慣が低インスリン状態を招きます。

その結果、脳内のアミロイドβの蓄積を助長します。
アミロイドβとは、脳内に蓄積されすぎると、いろいろと弊害のあるタンパク質です。
それによって、アルツハイマー病の発症に関わると考えられていますす。
つまり、アルツハイマー病の進行を抑えるための治療が必要になるのです。
具体的には、インスリン抵抗性改善薬や、脳内へのインスリン移行が確かな、点鼻インスリン療法が効果的であるとされています。

問題なのは、インスリンが分泌されているのに、脳内でインスリンがしっかり働いていない人の場合です。
いわば、脳内でだけ糖尿病が発症している状態と言えます。

一方で、アルツハイマー病の発症もすべて解明されたとは言い切れません。
その発症のメカニズムに、糖代謝の異常がどれだけ関与しているかは、今後の大きな研究課題です。

しかし、糖尿病がアルツハイマー病のリスクを高めてしまうことは、次第に明らかになっています。
今後の研究次第では、糖尿病の改善と共に、アルツハイマー病の発症を抑える効果的な方法も解明されるでしょう。

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