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糖尿病の種類と各症状について

生活習慣を見直さず10年単位で不摂生を続け、高血糖状態を維持した末に糖尿病へ・・・多くの方の糖尿病のイメージであり、この捉え方は概ね間違ってはいません。
むしろ、大半の糖尿病は上記の経緯で罹患する事になります。

糖尿病患者や一定の知識を備えている方はご存じでしょうが、糖尿病にはいくつかの種類があります。
まず、冒頭に記述した経緯で発症する「2型糖尿病」、インスリン機能が弱い若しくは働かなくなる「1型糖尿病」、妊娠を起因とした血糖値上昇による「妊娠糖尿病」の3種類が存在します。

「糖尿病」である以上一般に言われる症状と概ね同様のものが身体に現れますが、発症経緯の違いに伴い若干ながらその症状には違いがあるようです。
種類別に解説しますが、「2型糖尿病」については言わずとも多くの方がご存じかと思われますので、便宜上ここでは割愛させていただきます。

「1型糖尿病」について

まず「1型糖尿病」についてですが、これも糖尿病の例に漏れずいわゆる「糖尿病の症状」が現れます。
しかしこれ以外に2型糖尿病では現れない(理論上起こる可能性はあるがまず発症しない)、インスリンが機能しない1型糖尿病ならではの症状である「糖尿病性昏睡」という急性のものがあるのです。

これは、要するに血糖値が上がり過ぎる事により発症します。
これは命の危険に直結するので、早急な医療機関への受診を必要とします。
もっとも糖尿病性昏睡を呈した患者は、気付いた時には病院のベッドの上となりますが・・・。
ちなみにこの1型糖尿病、小児や若年層も罹患します。
理由は、先天性の糖代謝異常を起因とするケースもあるからです。
糖尿病と言えば「成人が罹患するもの」という印象が強いのですが、実際糖尿病という病気は成人だけのものではないのです。

もうひとつ、絶望的とも言えますが1型糖尿病はその度合いにもよりますが、インスリンを生涯手放す事が出来ません。
長きに渡り患者に重い負担を与えてしまう種類の糖尿病なのです。
しかし近年、膵島移植により膵臓へのβ細胞(インスリンの分泌を行う)定着の可能性が現れ、近い将来1型糖尿病の完治が実現すると騒がれており、1型糖尿病患者の希望となっています。

「妊娠糖尿病」について

次に「妊娠糖尿病」ですが、これは文字通り妊娠期間中に糖尿病に罹患してしまう病気です。
妊娠中は、インスリンの機能が低下し高血糖状態が維持されます。
それにより、糖尿病の症状が現れてしまうのです。
しかし妊娠糖尿病の怖さはこれだけではありません。

妊娠中という事は、お腹に胎児が居る訳です。
よって妊娠糖尿病が持続される事により、胎児にも影響を与える可能性が現れるのです。

  • 先天異常児
  • 巨大児
  • 発育不良

など、その影響はこれから生まれてくるのに致命的なものも存在します。
さらには、生まれてくる子供が糖尿病に罹患するリスクが跳ね上がる事も懸念されています。

この事により、妊娠糖尿病が発覚した際は直ちに治療に専念する必要があるのです。
血糖値が上がれば上がる程、妊婦本人はおろか子供にも多大なリスクを背負わせる事になるのです。
苦労は当然しますが、子供の事を考えれば容易い事でしょう。
妊婦本人に関しては、この病気は出産後ほとんどの場合血糖値は元に戻るので、あくまで妊娠期間中という意味で摂生を考えておけば良いでしょう。

ただし、出産すれば治ると甘く見てはいけません。
妊娠糖尿病を経験した妊婦は、経験していない妊婦に比べ将来的に2型糖尿病になる確率が上がってしまう事が示唆されています。
よってその後の日常生活に対しても、ある程度配慮を行わなければならないのです。

妊婦
妊娠糖尿病が発覚した際は直ちに治療に専念する必要があります

このように、世間で言われる「糖尿病」は2型ですが、その他にも種類があり、罹患する経緯もその症状もまちまちな事を覚えておきましょう。
糖尿病は2型だけではないのです。

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この記事を監修した人

監修:宮座 美帆

経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。

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