トップページ >> 糖尿病の種類 >> 1型糖尿病 >> 1型糖尿病は治療で完治するのか
1型糖尿病は、現在では完治しない病気と言われています。
しかし、近い将来、治る病気になる可能性があると言われています。
患者に初めてインスリンが投与されてからまだ100年も経っていません。
それ以前はやせ細って、命の危険性がある病気でした。
しかし、医学の進歩で亡くなるような病気ではなくなりました。
それは、様々な試行錯誤の結果、1980年には、米国のジェネンテック社より遺伝子組み換え技術によるヒトインスリンの生産が開始されました。
今では持続時間の異なる複数のインスリン、細い針、操作が容易な血糖測定器等が開発され、適切にインスリンを補充することで生活の質を高めることができるようになりました。
現在、インスリンの補充以外の治療としてはすい臓移植が確立された医療ですが、さらに新しい治療方法として「すい島移植」や「再生医療」などの根治に向けた研究が行われていまるそうです。
そこで、「すい島移植」や「再生医療」について詳しく調べてみました。
まず、すい島って?という疑問ですよね。
糖尿病は、血糖値が慢性的に高い病気ですが、インスリンという血糖値を下げるホルモンが不足していることが主な原因です。
そして、このインスリンを出す唯一の細胞がすい島細胞なのです。
別名ランゲルハンス島 (らんげるはんすとう)で、インスリンを分泌するβ細胞があるのです。
血液中のブドウ糖(血糖)の濃度調節に重要な役割を果たしているすい島組織をすい臓から分離し、重症インスリン依存状態糖尿病患者に移植する細胞組織移植療法です。
すい臓移植は、このすい島細胞を補うためにすい臓という臓器をそのまま移植します。
すい島移植は、すい臓から特殊な技術を用いてインスリン産生細胞であるランゲルハンス島(らんげるはんすとう)細胞だけを取り出して点滴の要領で肝臓の血流にのせて移植します。
すい島細胞を補うことでインスリン分泌不足を解消し、糖尿病を根本的に治してしまおうというのが、すい臓およびすい島移植なのです。
15歳以下の小児期に発病しやすい1型糖尿病では、この細胞が徐々に破壊されて、インスリンが分泌されなくなるため、インスリンの注射が必要になるのです。
この1型糖尿病は、インスリン治療や食事・運動療法をしても重症低血糖発作を起こしたり、血糖値のコントロールが困難です。
1型糖尿病に対して、すい島移植が適応となるそうです。
すい臓移植が大掛かりな手術が必要でした。
しかし、最近では点滴で移植ができるすい島移植の研究や臨床応用が世界的に盛んとなっています。
すい島移植はそれを受ける患者にとって身体的負担が低いものとなっています。
iPS細胞による再生医療というものをご存知でしょうか。
2012年度のノーベル生理学・医学賞を受賞したことでも話題でしたよね。
iPS細胞とは人工多機能性幹細胞の略称ですが、マウスの皮膚からiPS細胞を作り、そこからインスリンを分泌するすい島を作成し、そのすい島をマウスに移植、その後血糖値が低く抑えられ、且つ作ったすい島が癌化する事もなかったという実験結果が得られました。
人間の場合も、人間の皮膚等を採取し、それを元にiPS細胞を作り、そこからすい島組織を作り、それを糖尿病患者に移植する事で、将来の糖尿病の医療が変わって来ると考えられます。
まだまだすい島を大量生産出来ない等の課題もある様ですが、これからの再生医療に大きく期待したいものです。
幹細胞の再生医療への応用は、糖尿病の治療でも大きく期待されています。
幹細胞の「他の細胞に変化する」という特性を利用すれば、インスリンを作るβ細胞やすい臓を人工的に作りだせ、1型糖尿病の根本的な治療となる可能性があります。
最大のメリットは病の根治が可能なことです。
現在のように糖尿病でインスリンを打ち続けたりすることはありません。
糖尿病1型について、詳細をまとめています。画像をクリックすると詳細ページへ遷移します。
糖尿病の予防・改善には、血糖値のコントロールは必須と言われています。 運動・食事制限等が大切になってきます。 しかし、急に生活習慣を変えれない方も多いと思います。
糖尿病はとても恐い病気です。放っておくと様々な合併症を引き起こしたりと、大変なことになります。 糖尿病予備軍の人も同じです。放っておくと糖尿病になってしまいます。
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この記事を監修した人
監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。
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