トップページ >> 糖尿病の定義「糖尿病の診断基準を表にして見やすくしました。」 >> HbA1c6.5%で発見されるのは、奇跡!?
HbA1cがNGSP値で6.5%を超えると糖尿病、これが糖尿病学会の出しているラインです。
HbA1c6.5%って、本人がわかるものでしょうか?
いいえ、ほとんどの方が健康診断で指摘されて気づくレベルです。
HbA1cが6.5%を超える辺りから、糖尿病の合併症発症率が高くなってくることが解っています。
だからこの6.5%を一つの基準にしているのですね。
でも、糖尿病の中ではごく初期の段階です。
会社勤めをしていると、年1回の健康診断は会社の義務になっていますから、職員も必ず受けます。
その後要受診判定をもらっても放っておくのは、個人の責任ですが。
では、健康診断を受けていない人は、どうなるのでしょう?
自営業者や派遣、フリーターなんかがそうですね。
健康診断を受けていない人は、結構多いのです。
自覚症状もないごく初期の段階で糖尿病と診断されることは、実は奇跡に近い。
しかし、皆が皆健康診断を定期的に受けて、血糖やHbA1cをチェックしているわけでもない。
実際、やけに怪我が治らないとか、やたらとすぐに粉瘤という背中やおしりにできものが繰り返しできる・・・と血液検査をしてみたら、HbA1cが10%超えていた!!なんてことも、医療現場では珍しいことではありません。
眼科に「どうも目がかすむんですよね・・・疲れでしょうか?」と来院した人が、既に糖尿病性網膜症が進行していたということだってあるのです。
こんな風に、別の病気でかかった時に偶然とった採血で糖尿病が指摘されたとか、合併症のために受診したら、元凶は糖尿病だったとか、そんな具合で発見される人は、たいていHbA1cが10%超えています。
ではここで質問。
このような採血データを目にした医師は、「ひどい糖尿病だ!これはすぐに血糖値とHbA1cを正常に戻さなくては!!」
となるでしょうか?
答えはNoです。
なぜでしょう?
6.5%以下にしておかなくては合併症が進んでしまうことが解っているのに、なぜ下げないのでしょうか?
普通肺炎を起こした場合には、CRPとか白血球といった炎症反応の値を、すぐに正常化されることを目標とします。
そのために抗生剤の内服薬を処方したり、点滴をします。
糖尿病においてはすぐに治療の指標となるHbA1cを下げないのが鉄則です。
10%を超えているような人が、急激に正常範囲に戻そうと短期間で下げてしまうと、糖尿病性網膜症を逆に悪化させてしまうからです。
実は糖尿病専門の医師でもそれが何故か・・・という根拠を示すことができないようで、ただ臨床経験として、インスリンや経口の内服薬で急激に下げていくことはお勧めできない、ということなのです。
では、どのくらいずつ下げるのが理想なのでしょうか?これまた明確な根拠はないのですが、一般的には1か月で2%ずつと言われています。
ただし、既に合併症である腎症が進行している場合や、体重減少・意識障害を起こしてしまうような場合は、背に腹は替えられません。
とにかくまずは血糖値・HbA1cを正常化しないことには、糖尿病性ケトアシドーシスや、高血糖性高浸透圧性昏睡を起こしてしまうからです。
また、1か月で2%下げるというのは、食事療法・運動療法だけでは難しいでしょう。
必ず経口血糖降下剤やインスリンの力を借りなければ、下げられません。
通常生活習慣の改善だけで下げられるのは、コンマいくつかの世界ですからね。
そもそも、何か月・何年単位で進行してきたものですから、急に血糖値だけ下げたところで、コレステロールや中性脂肪などはそのまま。
一部の採血データだけ正したところで、アンバランスなわけです。
どこかにひずみが生じる。
それが、糖尿病性網膜症の悪化を起こすのでしょうね。
HbA1cは、急激に高くなるのも、急激に下がるのも困りものということです。
必ず糖尿病専門の医師を受診し、少しずつコントロールしていきましょう。
一度糖尿病を指摘された人が「治癒」することはないのですから・・・。
糖尿病の予防・改善には、血糖値のコントロールは必須と言われています。 運動・食事制限等が大切になってきます。 しかし、急に生活習慣を変えれない方も多いと思います。
糖尿病はとても恐い病気です。放っておくと様々な合併症を引き起こしたりと、大変なことになります。 糖尿病予備軍の人も同じです。放っておくと糖尿病になってしまいます。
そこで、まずは手軽にはじめられることからはじめてみませんか? 紹介するのは、糖尿病の予防・改善に役立つサプリメントです。
効果について、このページ『血糖値をコントロールするサプリメント』でまとめています。 是非、手遅れになる前にお試しくださいね。
この記事を監修した人
監修:宮座 美帆
経歴&活動:
平成25年 臨床工学技士の資格取得。
同年より、広島大学病院に勤務し循環器・呼吸器・代謝内分泌などの疾患を対象に多くの仕事に従事し経験を積む。
現在は医療に関する執筆・監修をこなす医療ライターとしても活動中。
病院・クリニック・企業のHP内コラム等も担当し、読者のみなさまが「病院を受診するきっかけ」作りを積極的に行う。
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