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年代別糖尿病の治療

糖尿病の治療『高齢者』

どの病気にも、年齢やその人の生活に応じた治療の選択が必要になります。
糖尿病は特に生活習慣の改善が必要になりますから、それをどこまで型どおりやるか…というのが考えどころ。

例えば、90歳でもADL(日常生活動作)が自立している。
しかし、理解度は乏しい。
特に目立った合併症は出ていない。
そんな場合に、型にはまった栄養指導や運動療法は意味がありません。

また、糖尿病自体が神経障害のために痛みや低血糖に気づきにくくさせるのですが、年齢によって更にその傾向が強くなります。
ですから、インスリンをいきなりどんと使い始めるという積極的な治療は注意が必要です。

高齢者の場合、残りの人生をどう生きるかということも考えた治療が必要ですね。
いくらADL自立といっても、90歳を過ぎて好きなものを全て制限して、得られるものは何かということです。

おじいさん
高齢者の場合、残りの人生をどう生きるかということも考えた治療が必要

糖尿病の治療『妊婦』

妊婦が糖尿病の場合、実は2種類のタイプがあります。

もともと糖尿病の人が妊娠した 糖尿病合併妊娠
糖尿病でない人が、妊娠してから糖尿病と診断された 妊娠糖尿病

この二つは実は同じ糖尿病でも、少し違います。
しかし、どちらも妊娠がインスリンの効きを悪く(インスリン抵抗性)したことで発症します。
特に糖尿病合併妊娠は、糖尿病の増悪と合併症の増悪をきたすので、管理を注意しなくてはなりません。

妊婦が糖尿病であることは、何がいけないのでしょうか?
妊娠から分娩までの周産期に厳重な血糖管理が必要なのは、奇形率の上昇や巨大児分娩などをきたしやすいからとされています。

それでさえ妊娠というのは、女性の身体に大きな変化をもたらします。
そこに糖尿病が加わり、合併症による治療が必要となった場合でも、胎児への影響も考えた治療が必要になります。
軽度であっても、妊婦はしっかりと血糖コントロールしなくてはいけません。

妊婦
妊婦はしっかりと血糖コントロールしなくてはいけません

糖尿病の治療『幼児』

子供が糖尿病の診断をされるときには、自己免疫や遺伝因子によるものが成因となる、1型糖尿病のことが多いです。
最近は親の生活習慣を子供も引き継ぎ、子供でも脂肪肝や高コレステロール血症になる場合がありますが、小学校入学前の幼児の場合が生活習慣病で糖尿病に罹るということは考えにくいですね。

1型糖尿病というのは、インスリンそのものを分泌する能力が障害されて起こり、いくら生活習慣を正したところで進行を食い止めることはできません。
インスリンが出せないのですから、インスリンを足さなければなりません。

子供と言えば、ワクチン接種でも大騒ぎするもの。
それをインスリンの注射を毎日、しかも1日3~4回と頻回に、一生続けていかなくてはなりません。
親の目が行き届かない学校生活中もインスリン注射がありますし、低血糖発作や糖尿病ケトアシドーシス(高血糖による昏睡)に対しても注意が必要になります。

1型糖尿病は、本人は何も悪いことをしていませんが、子供だって自己管理は必須。
それを本人に教えていかなければなりません。
また、幼稚園・保育園、小学校の理解と協力を求めることも必要になってきますね。

糖尿病の治療『若者』

比較的若く糖尿病と診断された場合、本当にインスリンを出せない1型糖尿病と、生活習慣病による2型糖尿病、両方の可能性があります。
35歳で1型糖尿病を診断される場合もありますから。
それによって治療が変わってくるので、やはり専門医の診断が必要です。

昨今は車社会の上に飽食の時代。
30代でも生活習慣病から脳梗塞を発症して職場で倒れて、そのまま寝た切りの生活という人も中にはいます。
20~40代というのは、どうしても若さを過信して、無茶をしがち。

若くして糖尿病を発症してしまったら、生涯糖尿病と共に生きていかなければなりません。
長い人生で合併症を起こすことなく普通の生活を送り続けるには、厳重な血糖コントロールと生活習慣をがらっと変えなくてはなりません。

まとめ

糖尿病といっても、1型と2型では大きく治療法が違います。
また、同じ2型であっても、人生まだまだこれからという若者と、今後はその人らしい生き方で人生の幕を閉じさせてあげたい高齢者では、治療ゴールが違います。

生き方は人それぞれ。
昨今では、生活習慣病から30代で寝たきりになる人から、100歳でも歩いて外来通院してくる人もいます。
1世代ではなく2世代もの差を生んできます。
ですから、ただ一律に年齢で治療法を決めるのではなく、その人の生活レベルも考慮した上で、その人に必要な治療が必要になってくるのです。

糖尿病を予防・改善する!

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