糖尿病は克服できる?糖尿病治療と付き合い方について解説!

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糖尿病は克服できる?糖尿病治療と付き合い方について解説!

糖尿病は克服できる?糖尿病治療と付き合い方について解説!

生活習慣病といわれている糖尿病。知っている方も多いと思います。
しかし、糖尿病の人もそうでない人も「糖尿病って治るの?」「治らないならどうやって付き合えばいいの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、糖尿病や治療、糖尿病との付き合い方までを解説します。
みなさんの生活や治療の参考になれば幸いです。

糖尿病とはどんなもの?糖尿病の基礎知識

そもそも糖尿病とは、インスリン(※)が十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまい、慢性的な高血糖状態をきたす疾患です。[1]

糖尿病は大きく「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2種類に分けられます。
膵臓でインスリンを作るβ細胞が壊されてしまい、インスリン産生不全を起こし、血糖値が高くなる「1型糖尿病」。
そして、生活習慣や遺伝的な影響により、インスリン分泌低下やインスリンが効きにくくなることで血糖値が高くなる「2型糖尿病」。

糖尿病を発症し、血糖の濃度(血糖値)が高いままで放置すると、血管が傷つき、将来的に重大な合併症を引き起こす可能性があります。

(※)インスリン:膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担う。

糖尿病は克服できるの?

糖尿病は、一度発症すると完全に治るということはなく、克服できません。
しかし、治療を受け、正しい知識を身に付けて生活習慣を改善することで、糖尿病がない人と変わらない生活を送ることができます。

そのために、まずは糖尿病にならないように予防することが大切です。
それでも糖尿病になってしまった場合は、治療で血糖値のコントロールをしながら、上手く付き合っていく必要があります。

それではここから、糖尿病の克服に向けた治療について紹介します。糖尿病治療は、予防にも繋がるので、できる部分はぜひ、生活に取り入れてみてください。

克服できなくても悪化は防げる!糖尿病の治療を解説

糖尿病の治療は大きく分けて3つあります。

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

血糖値をコントロールするために、まずは食事療法と運動療法から行い、代謝障害の程度に合わせて薬物療法を行うのが一般的です。
それでは1つひとつ見ていきましょう。糖尿病発症予防にも役に立つので、まだ糖尿病でない方も、生活に取り入れてみてくださいね。

食事療法

糖尿病の食事管理では、バランスの取れた食事が重要です。
なぜなら、バランスの取れた食事を取り、食事量やタイミングを管理することで、血糖値のコントロールがしやすいからです。

1日の適正エネルギー量
身長・体重、身体活動量により、1日の食事で摂取する適正なエネルギー量が決まります。
1日の適正エネルギー量は、基本的に以下の計算式を用いて求めます。
1日の適切なエネルギー量(kcal) = 目標体重(kg)※1 × ※エネルギー係数
※1:目標体重
  • 65歳未満:身長(m)× 身長(m)× 22
  • 前期高齢者(65歳~74歳):身長(m)× 身長(m)× 22~25
  • 後期高齢者(75歳~):身長(m)× 身長(m)× 22~25
※2:エネルギー係数
軽い労作(大部分が座位の静的活動) 25~30 (kcal/kg目標体重)
普通の労作(通勤・家事、軽い運動を含む) 30~35 (kcal/kg目標体重)
重い労作(力仕事、活発な運動習慣) 35~ (kcal/kg目標体重)

しかし、性別・年齢・血糖コントロール・合併症の有無などで状況が異なり、上記の計算式に当てはまらない方もいます。さらに、筋力やADLの低下、食事の摂取状況も踏まえて決定されるため、必ず主治医に確認してみてください。

食事
栄養バランス

栄養バランスの取れた食事は、糖尿病管理の基本です。
炭水化物・たんぱく質・脂質を中心に、カルシウム・ビタミン・ミネラルなどのさまざまな栄養素をまんべんなく、適量摂るようにしましょう。

運動療法

糖尿病の運動療法は、血糖コントロールに有効です。 運動を行い、筋肉への血流が増えることで、ブドウ糖が取り込まれやすくなります。また、筋肉が増えることによって、インスリンの効果が高まるのです。 これにより、血糖値を下げることができます。

さらに、運動によって糖尿病だけでなく、肥満や生活習慣病、加齢に伴う生活機能の低下、認知症、うつ病などのリスクを下げることができるといわれています。ぜひ日常生活のできるところから取り入れてみてくださいね。

運動療法で推奨されているのは、下記の通りです。

有酸素運動
具体的には、ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動のことをいいます。
週に3回以上、計150分以上を目安に行いましょう。[3]
筋力トレーニング
足、腰、背中など、全身の筋肉を使って週2〜3回の筋力トレーニング(1セット10回程度)を行うことが推奨されています。[3]

有酸素運動や筋力トレーニングを定期的に行うことで、血糖値を安定させる効果があります。しかし、強度の強い運動は低血糖や心機能に負荷をかけます。そのため、開始する前には必ず、主治医と相談しましょう。

有酸素運動

薬物療法

食事や運動と合わせて、薬物療法も重要です。
1型糖尿病は、自分でインスリンを作れないため、薬物療法が必須です。
一方、2型糖尿病は、食事療法と運動療法を2〜3か月行っても効果がない場合に、薬物療法も一緒に行います。[4]

薬物療法には、大きく分けて2つ、血糖降下薬による治療とインスリン療法による治療があります。その中で使う薬には、飲み薬と注射があり、種類もさまざまです。

代表的な薬は以下の通りです。

  • スルホニル尿素(SU)薬
  • 速効型インスリン分泌促進薬
  • α-グルコシダーゼ阻害薬

血糖値のコントロール方法は、それぞれの病状によって変わります。そのため、ご自身の血糖値のコントロール方法について、詳しくは主治医や医療スタッフにご確認ください。

糖尿病と上手く付き合っていくために

冒頭からお伝えしてきた通り、糖尿病の克服はできません。
しかし、糖尿病を発症しても血糖値をコントロールすることができれば、糖尿病がない人と変わらない生活を送ることができます。

そのために、定期的な健康チェックや自己管理を行い、健康的な生活習慣を身に付けましょう。

特に2型糖尿病は、食事療法・運動療法の他にも、生活習慣の改善が治療に大きな影響を与え、予防にも繋がることがわかっています。[5] 「食事療法」や「運動療法」を取り入れながら、喫煙や過度の飲酒を控える、十分な睡眠を確保する、ストレスを避けるためにリラックスする時間を持つなど、生活習慣の改善に努めましょう。 また、糖尿病を放置すると、さまざまな合併症が生じます。糖尿病の発症や合併症によって、生活の質が下がらないよう、日ごろから規則正しい生活を心がけましょう。

糖尿病は克服できず、ずっと付き合っていかなければなりません。しかし、適切な治療を受けて、血糖値のコントロールを行うことで、悪化を防ぐことは可能です。長期的な目線で考え、糖尿病に関する正確な知識を身に付けて、医療者と一緒に糖尿病の予防と血糖値のコントロールを行いましょう。 本記事がみなさんの参考になれば幸いです。

この記事の監修者

塩見 友香(しおみ ゆか)

塩見 友香(しおみ ゆか)

医療・取材ライター、病院薬剤師。
大学卒業後、総合病院に勤務し、内科・泌尿器科・透析科・循環器科での服薬指導
を経験。現在は未就学児2人を子育てしながら病院薬剤師として従事、現場経験をもとに医療ライターを行う。

2015年 一般社団法人 日本糖尿病指導療法士認定機構 日本糖尿病指導療法士取得。

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